経済・社会

2024.09.25 10:15

「地方公務員アワード2024」 挑戦する公務員が求められる時代に

近藤裕は、豊田市から今年2人目の受賞者。豊田市はラリーによるまちづくりを進めていたが、認知度は75パーセントで頭打ちに。近藤はラリーと団体の活動を一緒にPRできる仕組みを提案。233団体が参加し、僅か約90万円の費用でラリーの認知度を94パーセントにまで高めた。

過去に子ども会を担当した際には補助金申請を紙や対面から電子化。PCに不慣れな人でも対応できる操作性を追求し利用率は97パーセントを実現。職員の残業時間削減にもつなげた。

近藤裕(豊田市)は、「アルファドライブ賞」とのW受賞。人事課が主催する「とよた力検定(市の地理・歴史・観光・文化・施設などを問われる)」では勉強せずに参加し1位を獲得

近藤裕(豊田市)は、「アルファドライブ賞」とのW受賞。人事課が主催する「とよた力検定(市の地理・歴史・観光・文化・施設などを問われる)」では勉強せずに参加し1位を獲得

宇治田原町(京都府)の勝谷聡一は、産品に肉、魚、果物のない人口8800人のまちで、ふるさと納税の寄附額を2億円超へと伸ばした。

特筆すべきはその使途で、よくある子育て支援などではなく、子どもの可能性を引き出す取り組みを50以上もプロデュース。例えば、保育所でサーキット運動を導入。逆上がりができる年長児が14パーセントだったところ100パーセントへと向上。商品開発の特別授業では中学生が開発した商品が実際に店頭に並んだ。

さらに広報担当時代には、全国広報コンクールで総務大臣賞、史上初の府広報紙全3部門で「知事賞」を獲得している。

勝谷聡一(宇治田原町)は、ふるさと納税を「自治体間の寄付の獲得競争」ではなく「使い道事業の競争(協創)」という考えを普及させる高い視座を持つ

勝谷聡一(宇治田原町)は、ふるさと納税を「自治体間の寄付の獲得競争」ではなく「使い道事業の競争(協創)」という考えを普及させる高い視座を持つ

「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」の10人目の受賞者は瑞浪市(岐阜県)の伊藤允一だ。市民とのワークショップで原案を決定し、市の観光資源である「化石」をミュージカル仕立てにした短編映画「奇跡の化石」を製作。動画はYouTubeで58万回以上視聴され、映文連アワードで優秀企画賞、日本国際観光映像祭で優秀賞、なんとフランス映画祭でも入選を果たした。

ふるさと納税では「ビームスジャパン」に地場産品創出の監修を委託。2年間で市内事業者13社が参画し、100品目以上の監修商品が誕生し、着任時に300だった返礼品は3年間で1500品に増えた。

伊藤允一(瑞浪市)は、「PR TIMES賞」「楽天賞」とのトリプル受賞。伊藤が手掛けた多様な取り組みをきっかけに瑞浪市に興味を持ち、就職した後輩職員も現れた

伊藤允一(瑞浪市)は、「PR TIMES賞」「楽天賞」とのトリプル受賞。伊藤が手掛けた多様な取り組みをきっかけに瑞浪市に興味を持ち、就職した後輩職員も現れた

最後に紹介するのは、草加市(埼玉県)の安高昌輝だ。異動初年度で予算・経験がゼロのなか、2色刷だった広報誌をフルカラーにリニューアル。入庁3年目には給与支払報告書が提出されていない会社に調査をかけ、未申告者の給与を把握。毎年5000万円以上の税収増に貢献した。

高校2年生の時に役員に就任した子ども会の連合団体では、現在は副会長を務める。2018年に団体スタッフが5名に減少した際には、誰でもボランティア登録ができる制度を新設し、7000部のチラシを夜な夜なポスティングするなどして50名体制とした。

安高昌輝(草加市)は、「ジチタイワークス賞」「スパイラル賞」とのトリプル受賞。年次を言い訳にせず情熱で人を動かし、個人ではなく組織として改善・挑戦を実行し続けている

安高昌輝(草加市)は、「ジチタイワークス賞」「スパイラル賞」とのトリプル受賞。年次を言い訳にせず情熱で人を動かし、個人ではなく組織として改善・挑戦を実行し続けている

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