経済・社会

2024.09.25 10:15

「地方公務員アワード2024」 挑戦する公務員が求められる時代に

異動するたびに成果をあげる公務員

近年、さまざまな部署で成果をあげる公務員が増えているが、特に今年のアワード受賞者にはそのような傾向が強かったようだ。

「最強のオールラウンダー」と評されたのが、羽曳野市(大阪府)の辻村真輝だ。ワクチン対応について全国で1日2000人を接種できるシミュレーションを最速で実施し、集団接種モデルを確立した。

全国の同様の担当者に羽曳野モデルとしてその結果を共有した。その他、羽曳野市初の一般競争入札、生活文化情報センターや観光局の開設、定額給付金など、前例のない重要任務には辻村の名前がある。

辻村真輝(羽曳野市)は、役所内で部署を転々とするなか、常に学び続けてきた。イベント業務管理士、狩猟免許、観光士などさまざまな資格を取得し、業務にあたる。勤勉さと実行力から関係者からの信頼も厚い

辻村真輝(羽曳野市)は、役所内で部署を転々とするなか、常に学び続けてきた。イベント業務管理士、狩猟免許、観光士などさまざまな資格を取得し、業務にあたる。勤勉さと実行力から関係者からの信頼も厚い

次に紹介するのは川西市(兵庫県)の池田次郎だ。入庁後7年所属した広報室では、全国広報コンクールで4度入選、「広報のレジェンド」と呼ばれる。コロナ禍で成人式を担当した際にも独自性を発揮。多くの自治体が成人式の中止に動くなか、この年全国唯一のハイブリッド開催を果たし、NHKをはじめ、多くのメディアで取り上げられた。

池田次郎(川西市)は、Adobeや一般社団法人日本経営協会のデザインのセミナーにも登壇。撮影やグラフィック編集、取材、紙面レイアウトなどの知見を共有 、その仕事ぶりは職人芸の域にまで達している

池田次郎(川西市)は、Adobeや一般社団法人日本経営協会のデザインのセミナーにも登壇。撮影やグラフィック編集、取材、紙面レイアウトなどの知見を共有 、その仕事ぶりは職人芸の域にまで達している

その他、待機児童解消のため、保育施設誘致方策の転換により、実質的に待機児童を解消するなど、ここでは紹介しきれないほど多くの成果を残した。

郡山市(福島県)の深谷大一朗は、クラウドファンディング実施支援制度を立ち上げて、4年で39件、9000万円以上の調達に貢献。また、周辺17市町村を巻き込み社会起業家支援プログラム立ち上げる。

保育課時代には、兄弟姉妹が同じ保育所に通いやすい基準でシミュレーション、その結果、兄弟姉妹が同じ保育所になるように希望した世帯の入所率は、73パーセント(2023年4月)から80パーセント(2024年4月)に上昇した。この事業は東京大学などと共同研究しているサイバーエージェントに働きかけて実現した。

深谷大一朗(郡山市)は、「官民連携事業研究所賞」、「自治体通信賞」とのトリプル受賞。さまざまなプレイヤーを巻き込む圧倒的な行動力と実行力が評価された

深谷大一朗(郡山市)は、「官民連携事業研究所賞」、「自治体通信賞」とのトリプル受賞。さまざまなプレイヤーを巻き込む圧倒的な行動力と実行力が評価された

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