それぞれ大と中のサイズ(「らあめん」のみ小もあり)を選ぶことができ、辛増しも可能だ。またこの店では、メニューを決めて最初に料金を払うシステムになっている。
着丼まで時間がかかるという声も多いが、実は「八平の食堂本店」では、ラーメン乗せる具材はいっさい作り置きせず、注文が入るたびに野菜を切って調理しているのだ。玉ねぎを刻み、豚肉、ニンニク、ニラをじっくり炒めてから麺を茹で、その間に具材をスープで割り、丼に麺を分けて提供するという一連の作業を、注文ごとに行っている。
豊かな自然にかこまれた店のロケーションに加え、スタッフの方の「できたてを食べて欲しい」という心意気を感じながら、店に訪れる人が「ゆっくりでいいんですよ」というやさしい気持ちになれるのは、この店ならでは。ラーメンができるのを待つ時間も、ぜひ楽しんでもらいたい。
一口すすれば体の中がアツくなる!
店内は、玉ネギとニンニクを炒めている香りが充満し、すっかり口の中も「アリラン」エキスを欲しているピークのタイミングで、ついに着丼!「この一杯のために、今日まで頑張ってきた」と、つい口走りたくなるようなビジュアルは今日も健在だ。丼の上から放つ強烈なニンニクとニラの罪深い香りを感じながら、まずはスープを一口。ピリ辛のラー油が豚肉と野菜の甘みが溶け込んだスープをしっかり引き立ててくれ、体の交感神経が刺激されてくるのが実感できる! トロットロに煮込んだ玉ネギの仕事っぷりに、得も知れぬ愛情を感じるのは、食べたことがある人にはわかってもらえるはず。
コシの強い中太の自家製麺で、とろみのあるまろやかな醤油スープをリフトアップ。玉ネギの甘みとニンニクの香ばしさをしっかりまとめあげてくれるのは、さすがの仕上がりだ。すするほどに鼻から抜けるニンニクとニラの強烈な香りが、今日もどこか背徳感を感じてしまう。「アリランラーメン」とは、罪な食べ物である。
現在「アリランラーメン」は、本家の「八平の食堂本店」と、同じ長生郡の山内ダム入口近くにある親族が経営している「らーめん八平」の2店舗でしか食べられない。
共に秘境の地にあるゆえ、頻繁に通うことができないのは辛いが、かつて限定発売された「アリランラーメン」のカップ麺の再販を心待ちにしつつ、今日も明日も「アリランラーメンが食べたい!」という気持ちをおさえるしかないのだ。
そして店場所は、Google MAPのナビ機能であれば比較的スムーズに辿り着きやすいことを最後にお伝えする。
(この記事はOCEANSより転載しています)