そうしたスタートアップの同業他社に比べ、コーディウムはかなり少ない資本しか集めていない。しかしモハンCEOは、マイクロソフトのGitHub Copilotだけを本当の競合相手として考えている。
「他の企業は製品アプリを持っていません」と彼はいう。「幽霊とは戦えませんから」
しかし、コーディウムの新しいコーディングエンジンであるコーテックスは、競合他社に対する優位性をもたらす可能性がある。一度により多くのデータを処理できるようにすることで、コーテックスは「高度な推論」と呼ばれるものへの一歩となる。高度な推論とは、論理を使用して複雑な複数段階の問題をより適切に解決できるAIシステムであり、科学的発見やソフトウェア構築などへの人工知能の応用の可能性を広げるものだ。業界はこのタイプのAIにますます近づいている。例えば、OpenAIは、人間のような推論能力を持つモデルを構築するための取り組みである「Strawberry」(ストロベリー)に取り組んでいると伝えられている。
2021年6月に設立されたコーディウムは、以前はExafunction(エクサファンクション)と呼ばれていた。モハンと共同設立者でMITの同級生であるダグラス・チェンは、企業向けに、1万個のGPUを管理しアプリケーションの実行効率を高めるソフトウェアを開発していた。2022年、ChatGPTの登場によって生成AIが有名になる前に、2人はスタートアップを方向転換し、彼ら独自のAIモデルをコーディングに提供することにした。彼らはこれにより、より差別化できると考えたからだ。当時方向転換していなければ、「もっと会社の状況は悪くなっていたでしょう」とモハンは語っている。
より多くのスタートアップ企業がこの分野に参入する中、コーディウムは、開発者が対話し、フィードバックを提供できるツールを作ることで差別化を図ろうとしている。たとえば、コーテックスは、プログラマーのタスクを完全に自動化するのではなく、プログラマーが提案を受け入れたり拒否したりすることを可能にする。
モハンはいう、「私たちはコパイロット(副操縦士)になるのではなく、コックピットになりたいのです。私たちが目指すのは、開発者がコードを10倍速くレビューし、ナビゲートし、展開できるよう支援する、究極の強化ツールを提供することです」
(forbes.com 原文)