経済・社会

2024.08.21 09:30

世界の再エネ消費量が過去最高を更新、生産シェア1位は中国で35%

再生可能エネルギー生産TOP10

中国が世界の再生可能エネルギー生産で独占的なポジションを維持している。注目すべきは、近年化石燃料の消費量が飛躍的に伸びている中国とインドが、過去10年間で再生可能エネルギーの消費量を2桁の伸び率で増やしていることである。再生可能エネルギー生産量のトップ10は以下の通りだ。

1. 中国 生産量:16EJ(エクサジュール)、世界シェア:35%、10年平均成長率:24%
2. 米国 生産量:7EJ、世界シェア:15.3%、10年平均成長率:9.9%
3. ドイツ 生産量:2.5EJ、世界シェア:5.4%、10年平均成長率:6.3%
4. インド 生産量:2.3EJ、世界シェア:4.9%、10年平均成長率:14.4%
5. ブラジル 生産量:2.0EJ、世界シェア:4.4%、10年平均成長率:14.2%
6. 日本 生産量:1.5EJ、世界シェア:3.2%、10年平均成長率:12.9%
7. イギリス 生産量:1.3EJ、世界シェア:2.8%、10年平均成長率:9.8%
8. スペイン 生産量:1.1EJ、世界シェア:2.4%、10年平均成長率:4.1%
9. フランス 生産量:0.8EJ、世界シェア:1.8%、10年平均成長率:11.4%
10. オーストラリア 生産量:0.8EJ、世界シェア:1.6%、10年平均成長率:16.3%

この表にはいくつかの注意点がある。第一に、この表の数字には水力発電が含まれていない。水力発電は風力発電や太陽光発電と同程度の貢献をしているにもかかわらず、水力発電の伸びはここ数年比較的安定しているからだ。この表は基本的に、風力発電や太陽光発電のような最新の再生可能エネルギーの成長を示している。

第二に、この数値は「Input-equivalent energy」として報告されており、同じ量のエネルギーを火力で発電した場合に必要な燃料の量を表している。これは、例えば石炭を電気に変換する効率が低いことなどを考慮している。言い換えれば、ある量の太陽光発電に対して、その量の電力を生産するのに必要な石炭や天然ガスの量を計算しているのである。

今も化石燃料の消費は増え続けている

再生可能エネルギー、特に風力と太陽光は、急速な成長を続けている。記録的な発電可能容量と発電量の増加により、これらの近代的な再生可能エネルギーは伝統的なエネルギー源を補い続けている。

中国は再生可能エネルギーの分野で支配的なポジションを維持しながら、世界的な成長の大部分を牽引しているが、米国、ヨーロッ パ、ブラジルも、特にバイオ燃料において大きく貢献している。

世界が二酸化炭素排出量を削減し、よりクリーンなエネルギーへの移行を目指す中、再生可能エネルギーは持続可能で強靭なエネルギーの未来を形成する上で重要な役割を果たすだろう。しかし、今日に至るまで、世界のエネルギー需要の拡大量は再生可能エネルギーの発電量の伸びを上回り続けており、これは今も化石燃料の消費が増え続けていることを意味している。
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forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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