アーシャムの世界に没入
宿泊施設の客室のデザインを手掛けるアーティストは、もちろんアーシャムが初めてではない。イギリスの現代彫刻家アントニー・ゴームリーが手掛けたロンドンの高級ホテルThe Beaumont(ザ・ボーモント)の「ROOM」と呼ばれる部屋も、その一例だ。だが、面積およそ111平方メートルのキャビンはおそらく、利用客が長時間、実際に作品を使用し、真にそのアーティストの世界に没入することができる初めての宿泊施設だろう。
キッチン付きで、薪ストーブもある2ベッドルームのキャビンの内部にあるものは、多くがニューヨークのFriedman Benda gallery(フリードマン・ベンダ・ギャラリー)の協力を得てごくわずかな数のみ制作され、展示されていたものだ。
さらに、キャビンを取り囲むように設置されたポーチからミシガン湖の景色を眺めることができる「禅ガーデン」には、「Eroded」シリーズの作品、映画「E.T.」で使用された自転車のレプリカから鋳造した「Extraterrestrial Bicycle(地球外から来た自転車)」、バッグスバニーのぬいぐるみをモデルにした「Bunny(子ウサギ)」が置かれている。
そのほかバスルームには、手彫りのようなデザインの自立型のシンク、アーシャムが日本滞在中に着想を得たという洗面台など、9月発売予定のコーラーの新作コレクション、「Landshapes」の製品が使用されている。
キャビンの宿泊料は、1泊2475ドル(約36万円、税別)から。簡単には手が出せない値段だが、リゾートの敷地内には「Eroded」シリーズの「ペンタックス・カメラ」や「ポルシェ911」など、合わせて6つの作品が展示されており、滞在中はそれらの鑑賞を楽しむこともできる。
(forbes.com 原文)