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2024.08.15 09:45

子どもの水難事故は経済格差に遠因 元五輪選手の溺れない水泳プログラム

Getty image

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夏になると、海や川で子どもが溺れる痛ましい事故のニュースを耳にする。最近では、無理に泳がずに浮かんで救助を待つよう子どもに教えるようになったが、助かる子とそうでない子の間には、体力や泳力の差もある。そこで、どんな子でも溺れる危険性を低減できる対策を、元オリンピック水球日本代表の若吉浩二氏が開発し、教室を開く。

子どもの水難事故を減らす動きは各方面で行われているが、小中学校の授業でクラス担任が教えるには負担が大きすぎる。スポーツクラブや水泳教室で体力や泳力を養おうにも、経済的に困難な家庭も多い。低所得世帯の子どもの体力低下が深刻化しているとのことだ。

こうした事情を受け、大阪経済大学人間科学部の若吉浩二教授は、仰向けに大の字になって浮かび、慌てずに助けを待つ「大阪“大の字”泳法」を編みだし、それを普及させるための安全水泳プログラムを開発した。若吉氏はロサンゼルスオリンピックに水球日本代表として出場した経験を活かし、現在は大阪経済大学で水泳指導の研究を行っている。

大阪”大の字”泳法は、水難事故に遭ったときに、できるだけ体力を消耗せず、浮いて待つための技術。泳げる子には簡単な動作だが、泳ぎに慣れていないと下半身が沈みがちになるので、訓練が必要だ。そのため教室では、スパッツ型タイツの左右のポケットにペットボトルや発泡スチロールなどの浮くものを入れて「体の浮心と重心のずれ幅」を減らして下半身の浮力を補う若吉教授の開発による器具「フラットヘルパー」を使用する。

また教室では、ペットボトルやビート板を使って真水と海水の浮力の違いを体験することもできる。海水では真水よりも浮力が大きい。そのため、空気の入ったペットボトルを持って海で浮かんでいられても、同じペットボトルで川で浮けるとは限らない。海と同じ感覚で川に入るのは大変に危険ということだ。

さらに、プールのように壁を蹴って進むことができない海や川での移動方法を学ぶ。クロールと大の字浮きを交互に繰り返すことで、短期間で泳法が習得できるとのことだ。

「大阪“大の字”泳法」短期水泳教室概要
 8月13日(火)~15日(木) 大阪市立城東屋内プール
 8月17日(土)~19日(月) 大阪市立東成屋内プール
詳細は各プールにお問い合わせを

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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