アジア

2024.07.11 09:00

長引く中国の不動産危機、政府の「救済策」に即効性は見込めない

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この問題を暗に示しているのが賃貸利回りの低さだ。手頃な価格の住宅が最も不足している主要都市では、不足から住宅価格がかなり上がっており、不動産仲介のCentaline(センタライン)によると、賃貸利回りは今年5月には1.64%まで低下した。これは、再販のために調達する資金のローン金利1.75%よりも低い。
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投資リターンが金利よりも低いため、政府の買い取りプログラムに参加しようというインセンティブはほぼ働かない。この問題は昨年初めに中央銀行の中国人民銀行が実施した同様の試験プログラムですでに明らかになっていた。中国人民銀行が当初目標としていた融資枠1000億元(約2兆2000億円)のうち、今日までに使われたのはたったの20億元(約440億円)だ。大規模な政府のプログラムがうまくいくかどうかは、銀行の消極的な姿勢からして怪しい。銀行が消極的なのは、少なくともすでに不良債権が急増しているためだ。

政府のプログラムがかなり苦戦を強いられることを示す材料は他にもある。地方政府もこのプログラムに前向きではない。中国政府は長年にわたり、数々のインフラ整備の資金を地方政府に調達させてきたが、そうしたプロジェクトがすべて期待どおりの経済効果を生んでいるわけではないため、各地の自治体は多額の債務超過に陥っている。

なかには、住民に基本的なサービスを提供することが困難なほど、極めて深刻な債務超過に直面している自治体もある。売れ残り住宅の買い取りの資金を国債で賄うのは地方の懐事情が苦しいためであることは間違いない。そうしたかたちで支援されても、地方の自治体がこれ以上借金を増やすようなプログラムに関わりたくないことは容易に想像できる。
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結局のところ、長引く不動産危機から脱出するために中国政府はさらなる対策を講じなければならない。だが、最善の対策を講じたとしても、このひどい危機が過去のものになるには、中国政府が望んでいるよりもずっと長い時間がかかる。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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