例えば、米Resume Builder(レジュメビルダー)が2024年3月に実施した調査によると、回答した企業の採用担当者のうち58%が、若い「Z世代労働者の雇用には消極的」だと答えており、その主な理由を「プロ意識の欠如」としている。また、同46%は、この世代の労働者の「労働倫理とソフトスキル」に疑問を持っているという。
つまり、卒業後に高収入の仕事に就くためのカギとなるのは、大学で学び、身に着けた技術的な専門知識と、実際には「パワースキル」であり、「トランスファラブル(応用可能な)スキル」でもあるソフトスキルの双方を身につけているかどうかということだ。
さらに、大学で学んだことに対する自らの考え方についても、明確にしておく必要がある。中には将来に高収入を得るための唯一の方法として、学位を取得しようと考える人もいるだろう。だが、学位を取得しても借金を負い、職を失うことになれば、残念ながらそうした期待は打ち砕かれることになる。
また、自分が職を得たい業界に入り、希望する仕事に就くための必須条件であるとして、その学位を取得しようとする人がいる一方で、ただ「経験のため」だとか、「幅広い人脈を築くため」に、学位を取ろうとする人もいる。
いずれにしても、大学で何を学ぶかについて計画を立てるときには、学位そのものについて総合的に考えることが重要だ。卒業後に高収入の仕事に就ける可能性について考え、その投資利益率を評価し、将来のキャリアに対する自分自身の願望や伸ばしたいスキルとの関連性を考える必要がある。これらはすべて、卒業後のキャリアの成功にとって、重要なものだ。
以下、こうしたことを踏まえ、現在の米国で高収入の仕事に就くために有利だと考えられる3つの専攻分野と、就きやすくなる仕事の一部を例として紹介する(職業の後に続くのは、左から「平均年収」と「上位10%の平均年収」。情報元はSalary.com)。
1)公衆衛生学、衛生教育学、医療管理学
高収入、かつやりがいを感じられる仕事に就くことができ、地域社会にも貢献できる。・衛生教育担当者/6万1475ドル(約990万円)、7万5739ドル(約1200万円)
・医療分野のプラクティスマネージャー/14万5171ドル(約2300万円)、17万889ドル(約2744万円)
2)美術学、グラフィックデザイン
以下の高収入の職業に就ける可能性が高いだろう。・グラフィックデザイナー(フリーランス含む)/7万108ドル(約1125万円)、7万8415ドル(約1259万円)
・Webデザイナー/10万932ドル(約1621万円)、11万1492ドル(約1790万円)
・インテリアデザイナー/6万1857ドル(約993万円)、7万3317ドル(約1177万円)
・UI/UXデザイナー/11万1131ドル(約1785万円)、12万3294ドル(約1980万円)
3)コンピューターサイエンス
ヘルスケアや金融などの分野と並び最も高額の給料が見込める分野で、仕事を得るチャンスが増す。・システムアナリスト/11万2188ドル(約1802万円)、12万3284ドル(約1980万円)
・ソフトウェア開発者/12万4845ドル(約2005万円)、13万6323ドル(約2189万円)
(forbes.com 原文)