教育

2024.04.19

米国留学前に知りたい、高収入につながる3つの準学士号

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米国の大学に4年間通って学士号を取得することだけが、10万ドル以上(約1500万円)の年収を稼ぐための道ではない。それどころか、最近の大学は、あまり頼りにならない選択肢になりつつある。

ヤフー・ファイナンスは2024年4月はじめの記事で、グーグル、IBM、テスラ、ゼネラルモーターズ、デルタ航空、アップルといった大手企業が、他の多くの企業と同様に、これまで必須だった4年制大卒という条件を外し、スキルベースの採用に切り替えたと報じている。

求職中の人、あるいは、今後のキャリアを検討中の人には朗報だ。企業がスキルと勤務態度を重視するようになると、大学ローンという借金を抱えることなく、高報酬の立派な職業に就ける可能性がある。

自分のソフトスキル(コミュニケーション能力や問題解決能力、時間管理能力など)をたえまなく磨き、より多くのハードスキル(技術的スキル)を身に着けていけば、収入は増え、キャリア上の成功もどんどんレベルアップしていくだろう。

準学士号とは何か

準学士号(Associate degree)は、米国の2年制大学(3年制の場合もある)を修了すると得られる学位で、学士号に先立って取得できる(訳注:日本の短期大学を卒業した時に得られる学位は、2005年までは「準学士」だったが、それ以後は「短期大学士」となっている)。

ある学問領域を基礎的レベルで学ぶべく準学士号を目指すこともできるし、準学士号の取得後も勉強を継続して、正式な学士号を目指してもいい。

英国では、準学士号は、高等国家サーティフィケート、高等国家ディプロマ、ファウンデーション・ディグリーという名前で知られている。

高収入を得られる準学士号トップ3

言うまでもないが、卒業後の収入は、得られた準学士号によって異なる。しかし、学士号を取得したり、大学院に進学したりしなくても、高収入(10万ドルを超える場合もある)が期待できる準学士はいくつかある。

こうした職業では通常、準学士号のほかに、トレーニングや専門的能力の向上を継続するよう要求される。具体的には、免許の取得や、試験の合格、実地訓練を積むことによる追加資格の取得といったものだ。そうしたこと(トレーニングの継続)は、学士号を取得したか否かにかかわらず、どんな職業でもほぼ同様だ。しかし、準学士号しか取得していない場合には、その必要性はいっそう高くなる。

以下では、最も高収入を期待できる準学士号のうち3つを紹介しよう(給与額はSalary.comより)。

1. 看護の準学士号

看護の準学士号は、正看護師としてのキャリアを歩むための基礎になる。米国の正看護師は、上位10%の年収が12万9400ドル(約1940万円)に達している。ただし、州によってその年収は大幅に違う。たとえば、カリフォルニア州で働く正看護師の上位10%は、年収17万7000ドル(約2655万円)以上で、他のどの州の上位10%よりも多い。

平均給与幅:6万2640ドル(約940万円)~11万2360ドル(約1685万円)

2. コンストラクション・マネジメント(CM)の準学士号

米労働省労働統計局によると、米国の建設業界では、建設プロジェクトを管理するコンストラクション・マネージャー(CM)の需要が、2022年から2032年で5%増えると予想されている。この増加ペースは、同期間における職業別需要の平均予想成長率(3%)を上回るものだ。

コンストラクション・マネジメントの準学士号を取得すれば、建設現場で職を得て、OJT(現任訓練)を受け、専門資格を取得しながらキャリアアップし、給与も大幅に増やしていくことができる。職務での従事年数も、収入を左右する決め手となる。

平均給与幅:11万4862ドル(約1723万円)~15万1536ドル(約2273万円)

3. 原子力技術の準学士号

原子力技術の準学士号があれば、原子力技術者として高収入の職に就くことができる。原子力技術者は、特に需要が多いとは言えないが、安全性とエネルギー生成に欠かせない仕事だ。

原子力技術者は、科学者やエンジニア、原子力研究者が、実験や原子力発電所で使用する機器について、操作やメンテナンスを行う。場合によっては、危険な状況や、有害な放射線被曝について警告することもある。

平均給与幅:7万2040ドル(約1080万円)~10万5125ドル(約1577万円)

「準学士号だけの取得で10万ドル以上を稼げる仕事」については、あまり聞いたことがなかったかもしれないが、上で紹介したような仕事なら実現可能性は高い。適切な職場で働き、骨身を惜しまず経験を積んだり、さらなる資格を取ったり、トレーニングを継続したりしていけば、多額の学生ローンを抱えずに収入を増やしていけるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=ガリレオ

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