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2024.06.26 11:30

アップルが「廉価版Vision Pro」を計画、日本円で約30万円前後か

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アップルがコンピューティングの未来の形だと位置づけるApple Vision Proの最大の難点は、価格が3500ドル(日本では59万9800円)と非常に高価な点だ。しかし、ブルームバーグのマーク・ガーマンによると、同社は1500ドル(約24万円)から2000ドル(約31万9000円)程度の廉価版のVision Proを計画中という。

ただし、アップルは、このデバイスを単体で使用可能なスタンドアロン型のものではなく、スマートフォンやタブレット、もしくはMacBookに接続して使用するものにする計画という。

現行モデルのVision Proには、アップルのM2プロセッサに加えて、ヘッドセットのセンサーからの情報を処理するApple R1チップが搭載されている。

ガーマンによるとアップルは、廉価版のヘッドセットにもApple R1もしくは同等のプロセッサを搭載する計画だが、コスト削減のためにアプリやVR(仮想現実)体験の処理の大半を別のデバイスに任せる意向という。廉価版のVision Proは、メタのMeta Quest 3よりもソニーのPlayStation VR2に近いものになるのかもしれない。

しかし、アップルがヘッドセットと他のデバイスをつなぐ、高品質で低遅延のワイヤレスソリューションを導入できれば、ユーザー体験はそれほど損なわれないことも考えられる。同様の技術は、メタのヘッドセットにも導入されており、Questのユーザーの多くが、PCを使用してVRゲームを楽しんでいる。

ガーマンはまた、アップルが検討中の他のコスト削減案には、ユーザーの目の動きを外側に映し出すためのEyeSightディスプレイの省略や、視野角をVision Proよりも狭くすることなどが含まれると述べている。

この廉価版は、アップル社内でN107というコードネームで呼ばれ、発売時期は、最も早い場合で2025年の年末になるという。ガーマンは、ハイエンド版のVision Proの第2弾の発売が、当初は2025年に計画されていたが、2026年の年末以降に延期されたとも述べている。

Vision Proの販売は当初の期待に届かなかったと報じられており、このことが第2弾の遅れの原因となった可能性がある。著名アナリストのミンチー・クオは4月に、アップルがVision Proの年間出荷予測を当初の最大80万台から、40万〜45万台に下方修正したと伝えていた。

しかし、Vision Proはここ最近、米国以外でも注文可能になり、6月13日に中国本土や香港、日本、シンガポールでの予約注文が開始され、28日からはオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イギリスでも予約注文が可能になる。これらの国々でVision Proは、7月12日に発売される。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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