三宅:そうですね。それを日本酒から作ることにこだわって商品開発をしています。一部古酒はありますが、日本酒をこのように低温で蒸留して長期熟成させることは日本で初めてなんじゃないかなと思います。
日本酒でもウイスキーでもない新たなジャンル その源泉にある思い
三宅:デパートで店頭販売するのが、1番勉強になります。飲んでいただいて、「おいしい」とか「いやこれは飲めないよ」とか、いろんな声を聞けるので。現場で体感してそれを蔵に持ち帰りたいなと思ってます。堀:厳しい意見や、「ちょっとこれは僕には……」と言われてしまう時はどんな気持ちなんでしょうか?
三宅:まずは、炭酸で割ってみたら美味しいですよ、ロックで飲んだら美味しいですよ、などの色々な飲み方の提案をしています。やっぱりこれまでにジャンルがないもので、お客さんとしてもどこに分類すればいいかわからないものだと思うので。
店頭販売で売れないなと思うことがあっても、ばっと売れていく時があれば一気に折れていた心が復活するので、不思議だなと思いますね。
堀:新しい領域を作り続けることに対して、どのような思いでやっていますか?
三宅:この「浄酎」というジャンルを作り上げて、全国の酒蔵と提携できるようにしていきたいという思いでやってます。地域に酒蔵が点在していてほしい、100年200年と歴史をつなぐ酒蔵を多様に残す未来を作りたいという思いが、自分の源泉にあると思ってます。
酒蔵はただ経済を生み出す以外にも、地域の歴史や祭り、文化と密接に繋がる産業です。自分でも不思議ですが、それを残すことに対しての思いはどこからともなく湧いてきます。
酒蔵再生は一般の方からするとあまり関心がないところなので、まずは商品を知っていただく。そこからなぜこのお酒をつくったのか、その背景として、酒蔵が次々と潰れてピーク時の4分の1まで減っていて……と徐々に興味を持っていただいて、じゃあ酒蔵をなんとかしようって思ってもらえる仲間を増やしています。
堀:この分野にSetouchi Startupも注目して応援していることに関して、つくり手としてどう感じていますか?
三宅:嬉しいですね。僕たちのような伝統産業にベンチャーキャピタルが入るのはかなり珍しいケースでもあるので、経済的にもしっかりとしたモデルができるように力を借りながら育てていきたいなと思います。
(ロケ映像が終わり、スタジオでの「教えて! 瀬戸内VC」のコーナーへ)
教えて! 瀬戸内VC やったことがないことをやってみる
三宅:赤裸々にお伺いしたいのですが、ベンチャーキャピタルをしていて楽しいことと辛いことはなんですか?特に辛いところを聞きたいです。ベンチャーキャピタルの人ってやっぱりベンチャーに対していい格好しないといけないところもあるじゃないですか。本当は起業家に言いたい弱音を聞いておいたら、実はこんなことを考えてたんだと発見になるかなと思っています。