2024.06.09 12:00

カラフルなクルマが20年前と比べて半減、米国 人気は白・黒・グレー

これはいったい、どういうわけなのだろうか? カーオーナーの趣味が悪くなったのか、遊び心が欠けているのか、あるいは色覚に問題があるということなのだろうか?

「カラフルなクルマは、もはや絶滅危惧種のようだ」と、iSeeCarsの上級アナリストであるカール・ブラウアーは分析している。「グレースケールに属さない色のクルマはすべて、この20年間に人気を失った。これによって、私たちが目にするクルマの色のバリエーションがかなり狭まったことは否めない」

iSeeCarsでは、トラック、SUV、乗用車、スポーツカーという4つのカテゴリーに分けての分析も行っている。こうしたそれぞれのセグメントを見ても、前述したグレースケールに属する色が圧倒的多数を占める傾向が浮き彫りになっている。「真っ赤に燃えるようにホットな」とよく形容されるスポーツカーでも、鮮やかな色は敬遠され、モノトーンが選ばれるようになっているのだ。

実際、2023年式のスポーツカーでは、モノトーンのカラーリングが占める割合は60%近くに達している。このセグメントでの一番人気はグレー(20.1%)で、次に白と黒が同率で並ぶ(どちらも19.4%)。

その次に来るのが、鮮やかな色では最高位となる「赤」で、14.3%を占めているが、その割合は、この20年で35.1%マイナスとなっている。一方でグリーンは、2023年式のスポーツカー全体に占める割合はわずか3.4%だが、増加率は最も高く、2004年式との比較で537%増を記録している。

こうした話からは皮肉にも思えるが、過去のiSeeCarsによる調査報告では、カラフルなクルマの方が、モノトーンのクルマよりも中古車としてリセールバリューが高い(買取価格が値下がりしにくい)傾向にあることが示されている。

黄色のモデルは、3年落ちの買取価格が新車価格の86.5%であり、全体の平均値である77.5%よりも高い値を維持している。残価率が比較的高いカラーリングとしてはほかにも、ベージュ(82.2%)、オレンジ(81.6%)、赤(79.4%)がある。

iSeeCarsの調査によると、最も残価率が高い色は、全車種で見ると黄色がトップに立っているが、市場セグメントによって異なる傾向があるようだ。例えば、SUVやオープンカー、クーペでは、最も価格の目減りが少ない色が黄色であるのに対し、ピックアップトラックではベージュ、セダンではブラウン、ミニバンではグリーンが、最もリセールバリューが高くなる色となっている。

iSeeCars.comの調査リポート全文は、こちらで読むことができる。

クルマの色別人気ランキング

iSeeCars調べによる色別の人気ランキングは以下のとおり。この調査の対象となったのは、2023年1月から2024年4月までに販売された、2004年式から2023年式までの中古車(乗用車、トラック、SUVなど)。2000万台以上の取引をもとにしている。数字は、2023年式でその色のクルマが占める割合。( )内は、20年前と比較したそれぞれの色の増減の%値だ。

1. 白:27.6%(+77.4%)
2. 黒:22.0%(+56.5%)
3. グレー:21.3%(+81.9%)
4. シルバー:9.1%(-52.2%)
5. 青:8.9%(-18.0%)
6. 赤:7.3%(-38.1%)
7. グリーン:2.0%(-50.6%)
8. オレンジ:0.5%(-14.8%)
9. ベージュ:0.5%(-86.3%)
10. ブラウン:0.4%(-86.5%)
11. 黄色:0.2%(-75.7%)
12. ゴールド:0.1%(-96.8%)
13. パープル:0.1%(-92.7%)

出典:iSeeCars.com

forbes.com 原文

翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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