宇宙

2024.06.04 19:00

新月前後の「細い三日月」を楽しめる、今週の夜空

細い三日月と地球照。フランス、セーヌ(Getty Images)

細い三日月と地球照。フランス、セーヌ(Getty Images)

もしあなたが北半球の星空観賞ファンなら、今月やってくる夏至を楽しみにしてはいないだろう。夏至は、1日のうちで暗闇になる時間が1年で最も短くなる。その夏至とほぼ同じくして6月の満月である「ストロベリームーン」が現れて夜空を白くさせる。

今週は、6月の中でも星空観賞に最も適した1週間となる。遅くまで起きていても十分な暗闇があるだけでなく、6月6日の新月にはその暗闇がいっそう深くなるのだ。

夜明け前と日没後に繊細な三日月の景色が見られる今週は、外へ出て夜空を見上げるには絶好の1週間だ。一部で大きく騒がれた6月3日の「惑星パレード」に見えたのは2つの惑星だけで、実際には月を見る良い機会だった。今週の夜空について知っておくべきことを以下に記す。

6月4日(火曜日):細い三日月と火星

日の出前に東を見ると、輝面比9%の欠けていく細い三日月の右には火星が、南東の高い位置には土星が見える。

6月5日(水曜日):欠けていく三日月

この日も朝早く起きると、輝面比わずか3%になった欠けていく三日月が日の出前の東にある。火星と土星はきのうとほぼ同じ位置に見える。

この日、金星は「外合」を迎え、地球から見て太陽の反対側に位置する。

6月6日(木曜日):「ストロベリームーン」の新月

この日に月は新月となり、地球と太陽のほぼ中間にくる。ただし厳密な意味での中間ではなく、もしそうであれば日食になってしまう。それでも月は太陽のまぶしさの中に消えて見ることができない。

6月8日(土曜日):極細の三日月

この日の日没から少し後に、満ちていくスリムな三日月を見る絶好のチャンスがやってくる。わずか4%だけ照らされた月が西北西の地平線近くにある。 

6月9日(日曜日):満ちていく三日月とふたご座

この日の晩、輝面比9%になった月が西北西の地平線近くに見える。その隣には、ふたご座の2つの明るい恒星、カストルとポルックスが輝いている。

6月10日(月曜日):満ちていく三日月と地球照

日没後に西の空を見あげると、輝面比16%の満ちていく三日月があり、月面の暗い側には「地球照」が肉眼でもはっきりと見える。

今週の肉眼でみる天体:こと座

この小さな星座を支配している恒星であるベガは、他のすべての星々の判定基準となっている。夜空で5番目に明るく地球から約25光年離れたこの青い星は、星の「見かけの等級」つまり明るさを測る基準として使われている。ある星がベガより暗ければ等級は「+(プラス)」に、明るければ「-(マイナス)」になっていく。

ベガは、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルとともに、季節を代表するアステリズム(公式の星座ではない星空に描かれたパターン)である「夏の大三角」の一角をなしている。春の終わりに昇り秋に沈む夏の夜空のアンカーだ。外へ出たらいつも大三角を見ていれば、毎日位置が高くなっていくのがわかるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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