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2024.05.28 16:30

香港不動産ファンドのガウ社、日本のデータセンター投資を倍増

Getty Images

香港の不動産投資ファンド大手、ガウ・キャピタル・パートナーズは、人工知能(AI)コンピューティングの需要が急増する中、日本のデータセンターへの投資を倍増させた。

ガウ社は5月27日、東京都府中市のデータベースの集積地の府中インテリジェントパーク内で約1万1000平方メートルの用地を取得したと発表した。同社はこの取得により、同パークに保有するデータセンター用地の総面積を約2万2000平方メートルに倍増させ、データセンターの容量を40メガワットから78メガワットに増加させる見通しという。買収金額や売り手の名前は明らかにされていない。

ガウ社のマネージングディレクターで日本投資の責任者であるイザベラ・ローは声明で、「日本におけるテクノロジーの進歩は、特に指数関数的なコンピューティングパワーを必要とするAIの開発がますます進んでいることから、データセンターの需要を今後も牽引していくことになる」と述べている。

日本はアジアで最も発展したデータセンター市場の1つであり、3000メガワット以上が開発中だと同社は声明で述べている。日本のデータセンターに投資している他の投資家には、シンガポールを拠点とするGLPや投資会社ウォーバーグ・ピンカスが支援するESRが含まれる。

ローは、昨年のガウ社のブログの記事で「データセンターのスケーラビリティは重要だ」と述べていた。

同社は2022年に現地のプライベート・エクイティ会社IMMインベストメントと提携し、韓国のデータセンター市場に進出した。両社はソウルを拠点とする10メガワットの容量を持つデータセンター事業者Dreammark1に共同で投資していた。

ガウ社はまた、中国やインドネシア、マレーシア、ベトナムでもデータセンター投資を行っている。同社のマネージング・ディレクターのコク・チエ・オンは、2022年のブログ記事で「アジアのさまざまな地域で、データセンターの需要と供給の間に大きなミスマッチがある」と述べていた。

ガウ社は、2005年に会長のグッドウィン・ガウとケネス・ガウの兄弟によって設立され、3年後に妹のクリスティーナが加わった。同社は、2023年末時点で359億ドル(約5.6兆円)の運用資産を保有するアジア最大級の不動産プライベート・エクイティ・ファンドとなっている。グッドウィン・ガウとその家族は、フォーブスの香港の富豪ランキングで42位にランクインしている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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