警察による「乱用」の懸念
電子フロンティア財団の政策アナリストであるマシュー・グアリリアは、「警察がこの技術に税金を用いることは正当化できない」と話す。「警察は、既にナンバープレート認識システムを導入しており、このような技術を導入する必要性はない。この技術は、人々を追跡できるだけでなく、彼らが身に着けているデバイスまで把握できてしまうため、悪用されやすい。警察は、この技術から得られた情報をもとに、個人の車を停車させ捜索する際に押収すべきデバイスを決めることができる」とグアリリアは言う。
マローニーによると、レオナルドは警察と共同運用することで、違法行為を防止していると主張する。例えば、捜査機関が令状なしで車内のデバイスを特定することが許されてない場合、過剰なデータ収集を防ぐために監視ツールの機能をオフにすることができるという。また、このツールが人々のデバイスからコンテンツ情報を収集することはないという。「我々は、デバイスの中に入り込んで情報を解読するわけではない。これらは空気中の信号に過ぎない」とマローニーは述べた。
政治ニュースサイトのポリティコの創業者ロバート・オールブリトンが設立した、ジャーナリスト養成機関のオールブリトン・ジャーナリズム・インスティテュートが発行する雑誌『NOTUS』の記者であるバイロン・タウは、Jenoptik(ジェノプティック)というドイツ企業が開発した類似の技術が、テキサス州の2つの郡の警察にテスト導入されたことを明らかにした。
グアリリアによると、この新技術の別名は「スティングレイ」だという。スティングレイは、携帯電話の電波塔を装って、特定エリア内にある全ての電話に関する情報を収集する。フォーブスが以前報じたように、この技術は特定の自動車を見つけるためにも使われている。しかし、罪のない市民の情報を収集する恐れがあるため、いくつかの州では使用前に令状が必要となっている。
「レオナルドのツールも、デバイスを騙し、pingを送信させることで追跡している。違う種類の信号を発信しているからといって、それが無害とは限らない」とグアリリアは語った。
(forbes.com 原文)