宇宙

2024.05.23 18:00

木星の大赤斑を横切る太陽系で「最も赤い」天体、NASA探査機が撮影

巨大ガス惑星とその多数の衛星を調査する任務を担ったジュノーは2016年、木星に到達した。正式に認定された木星の衛星は、アマルテアを含めて95個ある。木星の氷衛星エウロパは、生命の痕跡探しに適した場所と考えられている。NASAの次期探査ミッションのエウロパ・クリッパーは、氷衛星へのフライバイを実施し、詳細な調査を行う予定だ。エウロパは、木星の4大衛星の1つ。残りの3つは、イオ、ガニメデ、カリストだ。4つの衛星は、観測条件が良ければ、地上から双眼鏡で見ることができる。だが、アマルテアは探査機からでも見つけるのが難しい。

NASAのガリレオ探査機が1999年に撮影したアマルテア。大きな衝突クレーターが見える(NASA/JPL/Cornell University)

NASAのガリレオ探査機が1999年に撮影したアマルテア。大きな衝突クレーターが見える(NASA/JPL/Cornell University)

アマルテアは1892年、米天文学者のエドワード・エマーソン・バーナードが発見した。NASAの探査機ガリレオは1996年から数回にわたり、アマルテアの画像を撮影した。ガリレオの調査で、衛星の表面に衝突クレーターや谷のような地形があるのが判明した。

小型で赤色のアマルテアにとって、未来はそれほどバラ色ではない。「アマルテアは母惑星に非常に近いため、ゆくゆくは軌道が減衰し、惑星に落下する」と、NASAは解説サイトに記している。ジュノーもまた、いつまでも持ちこたえられるわけではない。太陽電池を動力源とするジュノーは現在、ミッションの延長段階にあり、2025年9月かもしくは寿命に達するまで、運用が継続される見込みだ。ジュノーは、アマルテアと同じ運命を辿ることになる。最終的には、木星の大気中で燃え尽きるのだ。その時が来るまでは、魅力的な惑星とその衛星を間近で探査し、宇宙ファンや科学者をあっと言わせ続けるに違いない。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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