6. 結果の歪曲。自分の行動の影響を最小化したり、無視したり、歪めたりすることで罪悪感を減らす戦略である。たとえば、「知らなければ相手は傷つかない」と考え、不倫が大きな害を及ぼしていないと自分に納得させる。
7. 非人間化。非倫理的行為の被害者を人間扱いしないことで、相手を粗末に扱うことへのハードルを下げる。たとえば、パートナーを退屈な人間だとみなしたり、恋愛の相性が悪いことを理由に浮気を正当化する。パートナーを感情を持つ人間としてではなく、個人的な満足を妨げる障害物として見るのだ。
8. 被害者の非難。不倫をするパートナーは、しばしば被害者を責め、自分が与えた被害の責任を被害者自身に転嫁しがちだ。たとえば、「パートナーがもっと自分に関心を払い、感謝の気持ちを感じさせてくれていれば、他の相手に愛情を求める必要はなかった」と主張する。不倫を結婚生活への不満やパートナーの欠点に対する対応と位置づけ、言い訳とするのだ。
これらのメカニズムが総じて道徳的離脱を促進し、個人が倫理的基準に反する行動をしながらも比較的肯定的な自己イメージを維持するのを可能にしている。
以上の洞察に照らしてみると、道徳的離脱は不倫の強力な誘因であり、道徳的コンパスを回避するための心理的な安全網を提供していることが分かる。しかし、これらのメカニズムは一時的に本人の罪悪感を和らげるかもしれないが、行為を正当化したり免罪したりすることはない。
長期的には、人間関係に壊滅的な打撃を与え、健全なパートナーシップに不可欠な信頼と誠実さの基盤を損なう可能性がある。自分自身に対して使っている認知的なまやかしをきちんと認識することで、より大きな自己認識、責任、倫理的行動へのコミットメントを育み、より強く、より正直な関係を築くための道を開くことができる。
(forbes.com 原文)