宇宙

2024.05.21 19:00

5月の満月「フラワームーン」と赤色巨星アンタレス、今週の夜空

今週、「フラワームーン」の満月が昇る(Getty Images)

今週、「フラワームーン」の満月が昇る(Getty Images)

今週は2024年で5回目の満月「フラワームーン」が昇るが、夜空にはほかにも見るべきものがたくさんある。今週の星空観賞と天文について知っておくべきことを以下に述べる。

5月21日(火曜日):こと座のベガ

星の明るさの基準で、北半球の夏の夜空にある恒星ベガは、今週、日没後に北東の空に昇ってくる。映画『コンタクト』では地球外生命から送られてくる信号の発信源とされたベガは、太陽に最も近い恒星の1つであり、わずか25光年しか離れていない。夜空で5番目に明るく、北半球ではシリウスの次に明るいこの恒星は、7月から秋にかけて頭上に輝く「夏の大三角形」の一員としてまもなく夏の夜空を支配する。

5月22日(水曜日):フラワームーンをプレビュー

完全な満月になるのは23日木曜日の22時53分(日本時間)だが、22日も「ほぼ」満月のフラワームーンを見ることができる。北米では太陽が西に沈む数分前に東に現れるので、明るく見えるのは日没後の空に昇ってからだ(訳注:東京では日没が18時46分、月の出が17時37分なので、月が明るく見えるようになるまでには1時間ほどかかる)。

5月23日(木曜日):フラワームーンとアンタレス

フラワームーンは、さそり座の赤色巨星アンタレスのすぐ右上に現れる。北米では日の入から約40分後の東の空に月は昇る。米国南東の一部の州およびブラジルでは、月がアンタレスを掩蔽(えんぺい)するアンタレス食が起きる。
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オレンジに輝く、5月の満月「フラワームーン」の最も美しい姿を見るには

北斗七星を使って星を見つける

月がスピカに近づく今週は、北半球の春の夜空で星を見つける練習をする絶好の機会だ。まず、日没後の北の空高くにある北斗七星を見つけて、柄杓(ひしゃく)の取っ手のカーブを延ばしていくと明るいオレンジ色の星に至る。それがうしかい座の赤色巨星アークトゥルスだ。さらに進めば次に明るい星、おとめ座のスピカがある。2つの恒星は春の夜空のアンカーであり、北半球の中緯度以北では、北斗七星は常に夜空にあるので、春夏を通じて星々を見つける手助けをしてくれる。

こと座の「ダブルダブル」

ベガが見えている夜空には、最も見つけやすく、それゆえに最も有名な二重星(ダブルスター)もある。今週、夕方の空でベガのすぐ左下にあるのは、通称「ダブル・ダブルスター」と呼ばれる二重星(こと座イプシロン星)で、肉眼では1つの星に見えるが、双眼鏡では2つに分かれ、望遠鏡では1対の二重星に見える。EarthSkyによると、実際には約162光年離れた複雑な恒星系にある5つの星だ。

またこと座には、有名な環状星雲(M57)がある。美しい青緑色の環状になった太陽類似星の残骸だ。ベガよりかなり下に位置しているため、夕方の空で簡単に見られるようになるのは少し先になるだろう。

ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が捕らえた環状星雲(NASA)

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捕らえた環状星雲(NASA)

forbes.com 原文

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