当時23歳だったデルバックは、フランスにあるESSECのビジネススクールで修士号を取得しようとしており、37歳だったノルマンは、フランスの家電メーカー、ウィジングズを辞めたばかりだった。当初、無料のモバイルアプリとして始まったGreenly(グリーンリー)は、今ではLVMHやロレアル、トリップアドバイザーなど約2000社が利用する、二酸化炭素(CO2)排出量の追跡と削減を支援するソフトウェアへと進化した。
パリを拠点とするグリーンリーは、フィデリティなどの投資家から総額7500万ドル(約117億円)を調達しており、昨年の売上高は1000万ドル(約15億円)を記録した。今年はその2倍を見込んでいるという。これらの功績から、現在28歳のデルバックは今年のフォーブスの欧州版『30 UNDER 30』に選ばれた。
「私たちは今、新しい時代の始まりにいるのです」とデルバックは語る。「脱炭素経済に向けて可能な限り早く前進するための鍵こそ、企業なのです」
グリーンリーのアプリは、企業の財務や製品、サービスに関する包括的なデータをソフトウェアで解析し、原材料の調達方法から広告がフットプリントに与える影響まで、あらゆる情報を追跡する。同社の顧客は最終的にインタラクティブなダッシュボードにアクセスすることができ、どこで、どれだけのCO2を排出しているかを把握可能になり、それらを削減するためのアドバイスが受けられる。デルバックによると、同社は社内に40人ほどの気候変動の専門家を抱えているという。
グリーンリーは、それらのサービスを企業の規模に応じた価格で提供している。欧州の小規模な企業であれば、年間3000ドル(米国の小規模企業は最低6000ドル)、大企業であれば5万ドル(約780万円)から10万ドル(約1560万円)未満で利用できるとデルバックは説明する。