気候・環境

2024.05.20 08:00

世界最大、中国の電動コンテナ船 夢の環境技術は米国の安全保障上の悪夢

中国遠洋海運集団(コスコシッピング)のロゴマーク(helloabc / Shutterstock.com)

第一次世界大戦後に施行されたジョーンズ法は、米国内の港間で輸送を行う船舶はすべて、米国で建造され、米国船籍で、米国人が所有し、米国人船員が乗り組んでいなければならないと定めている。米海運業界の成長と発展を促進するのが目的の法律だったが、国内での外国貨物の輸送を禁止したことにより海運と造船の価格上昇を招き、貿易が陸路または海外にシフトする原因となった。
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2022年時点で、中国は1794隻の大型外航船を建造中だ。日本は587隻、米国はわずか5隻である。米国製の貨物船は高価なため、安価な代替船が調達可能な場合、米国内の事業者は購入を避ける。ジョーンズ法のせいで米国の造船業は20世紀初頭から停滞したままだ。だが、中国の先進的な船舶が国際市場にあふれている今こそ、再出発の時である。

何よりもまず、政策立案に際してすべての市場競争相手を同列に扱うという時代遅れの慣行を見直さなければならない。今後も中国のような潜在的に悪意のある行為主体から米国の造船業界を保護すべきなのはもちろん、友好国の造船業界と横のつながりを築くことも有益だ。

たとえば米海軍が、日本、スカンジナビア諸国、ドイツ、韓国の造船施設で艦艇を保守管理できるようになれば、台湾侵攻を計画する中国にとって、より確実な脅威となれるだろう。日米はすでにこうした仕組みを整えることで合意している。
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米国政府は、海運におけるグリーンテック・イノベーションを最優先事項と位置づけねばならない。造船業界を活性化させれば、当面は中国と互角に戦えるだろうが、いずれ中国が誇る一流のグリーンエネルギー部門との直接対決は避けられまい。もちろん中国は技術革新の手を緩めないだろう。それでも、米国はその挑戦を受けて立ち、同じ分野で対抗する必要がある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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