ヴェネチアでは現在、その他の関連イベントも開かれており、運河の街はまさに、大胆で鮮やかな、そして美しいアートであふれんばかりとなっている。また、通常は一般公開されていない庭園や宮殿のなかには特別に、会期中に限って無料で入場を許可するものもある──つまり、ヴェネチアはビエンナーレが開催されている時期にこそ、訪れたい場所だと言えるだろう。
以下、そのビエンナーレと同時開催されているエキシビションのうち、特に高い関心を集めている3件を紹介する。
Cosmic Garden(コズミック・ガーデン)
サンタ・クローチェ地区にあるサロン・ヴェルデで開かれている「コズミック・ガーデン」では、古代インドの神話やヴェーダ(バラモン教とヒンドゥー教の聖典)のシンボルを現代的に解釈した魅惑的、かつ神秘的な絵画や刺しゅうが紹介されている。主な作品には、インド出身のアーティスト、マドヴィ・パレクとメヌ・パレクの絵画と彫刻、カリシマ・スワリとチャーナキヤ工芸学校の職人たちの手による巨大な絵画のような刺しゅうパネルなどがある。
同展のキュレーターは、「プロジェクトの目的は、女性と刺しゅうの関係を再評価すること。家庭的なものとされてきた手刺しの刺しゅうを、これまでの領域を超えたパブリック・スフィア(公的な領域)に引き出すことだ」と話している。
Breasts(ブレスツ)
幼児キリストに授乳する聖母マリアを描いたルネサンス期のミニチュア絵画から金仕上げのチェストプレート(防具)まで、パラッツォ・フランケッティで開催されているこの展覧会のテーマは、「胸」。女性の乳房をカタツムリとして描いたサルバドール・ダリの「Nude with Snail Breasts」をはじめ、抽象的に、あるいはユーモラスに表現された乳房が展示されている。