キュレーターのカロリーナ・パスティは、この展覧会が目指すのは、母性やエンパワーメント、セクシュアリティ、ボティ・イメージ、そして病といったトピックについて考えることだと説明している。
展覧会のカタログ販売で得られる収益の30%は、がん研究を支援するイタリアの財団、IEO-MONZINO Foundationに寄付される。
Personal Structures(パーソナル・ストラクチャーズ)
ヴェネチア・ビエンナーレの主会場となっているイベント施設、中世の造船所跡を利用したアルセナーレ・ディ・ヴェネツィアとジャルディーニ公園の中間に位置するマリナレッサ庭園には、欧州文化センター(ECC)が開催するインスタレーション展「Personal Structures(パーソナル・ストラクチャーズ)」に出展された作品の数々が置かれている。2024年のヴェネチア・ビエンナーレのテーマは「Foreigners Everywhere(どこにでもいる外国人)」。展示されている作品は見る人たちに、この都市とは切り離せない存在である外国人が果たすべき役割についての熟慮を促している。
例えば、気候変動により深刻な影響を受けているヴェネチアで、環境危機を正面から捉えた作品が数多く紹介されることは、特に心に迫るものがある。その1つ、船の航行が可能な水路であることを示すため、標識としてラグーナ(干潟)に打ち込まれていた杭、「ブリコラ」でつくられた三脚の形の彫像には、「A Trap for Greta(グレタ捕りのワナ)」と名付けられている。
そのほかにも、ジェレミー・チェンやローレン・ベイカーなど51カ国の200人以上のアーティストたちが手掛けた、ヴェネチアの自然の「もろさ」を表現する作品が展示されている。
(forbes.com 原文)