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2024.05.14 11:30

サム・アルトマンの弟が設立した200億円規模のVC「Saga Ventures」

3人でファンドを立ち上げる可能性が浮上した際に、彼らはそれぞれが必要なスキルセットとネットワークを持っていると考えた。彼らは、その年の秋に投資スタイルについて話し合った結果、ポートフォリオを集中させた比較的小規模なファンドが成功の可能性が高いと判断した。彼らは今後も別々の都市を拠点とし、グエンはサンフランシスコに、アルトマンはオースティンに、ブラバーマンはニューヨークに残る予定という。

「知見」や「人脈」を起業家に与える

それぞれが異なるバックグラウンドを持つことの強みは、すでに複数の投資先のCEOの話で証明されている。企業間決済のスタートアップのSlope(スロープ)では、共同創業者のアリス・デンとともに、フォーブスの30アンダー30出身のCEOのローレンス・ムラタが、「グエンには、フィンテック分野の経験を活かしてリスクモデルの設定を支援してもらった」と述べている。また、アルトマンには高価値の顧客や投資家とを紹介してもらった。「私たちは、彼らと仕事をすることを楽しんでいて、他のスタートアップにも彼らを紹介しています」とムラタは語った。

一方、輸送分野で決済ビジネスを手がけるスタートアップのAtoBは、サーガからの出資を受ける前に、3人のパートナーから個別に出資を受けており、同社CEOのヴィグナン・ヴェリヴェラは、グエンがフィンテックの専門知識を、アルトマンが人脈を、そしてブラバーマンがセールス部門の立ち上げを支援してくれたという同様のエピソードを語った。「彼らは本当に、起業家の身になってアドバイスをしてくれるのです」と彼は述べている。

かつてアルトマンを雇おうとしたことがあるコースラベンチャーズのキース・ラボイスは、アルトマンのビジネスセンスの良さと、ハイテク業界にありがちな誇大広告と距離を置く姿勢が、この会社に役立つだろうと考えていると語った。ファウンダーズファンドのパートナーで、フレックスポートの投資家であるトレイ・ステファンは、ブラバーマンが会社の個性の大きな部分を占めており、今では新興企業のディールフローで大きな役割を果たしていると述べた。

しかし、サーガ・ベンチャーズの投資の多くは、他の多くのシードファンドの投資とそれほど大きく異なるものではない。これについてサム・アルトマンは、フォーブスの取材に、「マックスのアプローチは、シリコンバレーが見過ごしがちな地域や市場に焦点を当てて、全てのアメリカ人をターゲットにしている点が、他の投資家とは異なります」と語った。

サーガ・ベンチャーズが支援するスタートアップは、高い成長ポテンシャルを持っているが、彼らの投資はリスクを伴うものでもある。「私たちは大リーグへとステップアップしようとしています」とブラバーマンは語った。「それを実現するためには、一緒にプロジェクトを立ち上げる仲間を本当に好きにならなければなりません」とグエンは付け加えた。

一方、アルトマンは、血縁関係のないパートナーたちと立ち上げたファンドを成功させて、兄たちのファンドと投資リターンを競おうとしている。「3人の力を合わせて、そのパワーを証明したいのです。それ以上に私を駆りたてるものはありません」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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