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2024.05.14 11:30

サム・アルトマンの弟が設立した200億円規模のVC「Saga Ventures」

デューク大学に在学中に、フォーブスのミダスリストにも選ばれた著名投資家、スティーブ・アンダーソンの下でインターンを務めたアルトマンは卒業後に、人事ソフトウェア企業のZenefits(ゼネフィッツ)で最初のプロダクトマネージャーの一人として採用された。その当時から、彼は「テック企業は他のテック企業のためだけに製品を作るべきではない」と主張していたと、ゼネフィッツ元CEOのパーカー・コンラッドは言う。「彼は常に、国中の企業のためにプロダクトを作る必要があるという理念を主張していました」

Yコンビネータでの投資経験

その後、兄のサムが立ち上げたハイドラジン・キャピタルに参加したアルトマンは、ひとまずそのような理念を後回しにして、ファンドの運営を手伝った。彼らは、掲示板サイトのReddit(レディット)や、スマートEメールのSuperhuman(スーパーヒューマン)など、Yコンビネータ出身の数多くのスタートアップを支援した(これらの企業への投資は、後にサムをビリオネアの地位に押し上げることになった)。

兄のサムがOpenAIへの注力を深める中で、アルトマンはファンドの日々の運営を取り仕切るようになった。その後のアポロプロジェクツには、ジャック・アルトマンも加わり、当初はムーンショットと呼ばれる画期的なベンチャーや、ディープテック領域に焦点を当てるはずだった。しかし、このような分野は高コストで長期的な見通しが立てにくいという理由もあり、間もなく伝統的なソフトウェア企業へと軸足を移した。

OpenAIの成長を受けてサムが多忙を極めるようになったため、アルトマンは次に、ジャックとともに外部資本により設立したアルトマン・キャピタルを立ち上げた。しかし、兄弟でフルタイムで働くことは結局、楽しいことよりも苦痛が多いことが判明した。

アルトマンが別の道を歩むようになったのは2021年のパンデミックの最中に、ブラバーマンを含むテック系の起業家たちとニューヨークのバブルハウス(感染を避けるための家)に滞在したことがきっかけだった。フレックスポートの元幹部のブラバーマンはその当時、ベンチャー企業のリーダーとして会社の戦略的投資に数千万ドルの資本を投下する役割を担っていた。

アルトマンはまた、その頃ハワイで開催されたテック系カンファレンスで、2022年にフィンテックの新興企業Nearside(ニアサイド)を決済企業のPlastiq(プラスティック)に売却し、Yコンビネータのコミュニティでエンジェル投資家として活躍していたグエンと親しくなった。(グエンがそれ以前に手掛けていたスタートアップは、フレックスポートと同じ2014年にYコンビネータに参加した後にスクエアに買収されていた)。
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編集=上田裕資

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