持続可能性に焦点を置いた事業を展開する米企業エコラボが15カ国2万5000人以上の消費者を対象に実施した調査「Watermark Study」では、水不足に対する懸念はどの世代でも大きく、消費者4人中およそ3人が懸念しているという結果となった。だが懸念を抱く人の割合は世代が上がるにつれて高まるようで、ベビーブーム世代では82%、ミレニアル世代(1981年~1996年生まれ)では78%、Z世代(1997年以降生まれ)では74%だった。
Z世代の消費者では、すぐに行動を起こす人の割合は41%と比較的少なかったが、1年以上先に行動を起こす意向がある人は56%いた。
エコラボが昨年発表した別の国際調査結果では、回答者の4分の3近く(74%)が水の保全を企業が最優先事項あるいは必須の優先事項にすべきだと考えていることが判明していた。
同社のエミリオ・テヌータ最高サステナビリティ責任者は筆者とのインタビューで、両調査からは、世界のほぼ全地域の消費者にとって、清潔で安全な水へのアクセスが非常に重要だということが分かったと説明。また、消費者は政府や企業に水保全の責任があると考えている一方で、政府や企業が大きな保全目標を設定しながらもそれを必ずしも達成していないことに懐疑的になっている人もいることが判明したと指摘した。
テヌータによると、若年層は持続可能性と気候変動について懸念しているものの、水の問題は真っ先に頭に浮かぶものではない可能性があることが、最新の調査結果からは示されている。
「ベビーブーム世代以上の人々にとって、きれいな水を利用できるかどうかは喫緊の課題。今、影響が生じている問題だ」とテヌータは説明。若年層もその重要性は感じてはいるものの、将来的には影響があっても喫緊の課題であるとは必ずしも感じていないことが、調査結果で示されたという。
きれいな水へのアクセスは生命にとって必要なだけでなく、ビジネスや経済成長にとっても不可欠であるというのがテヌータの考えだ。
「気候危機の中核には水の危機があり、私たちは水を通して気候変動の影響を経験している」
「米国は未来を考えずに地下水を利用しており、多くの地方自治体の水道システムは主に地下水に依存しているので、これは明らかに大問題だ。ただ、必ずしも気候変動ほど頻繁に耳にすることがないだけだ」
コンサルティング会社ウォーター・ファウンドリーの創設者で最高経営責任者のウィル・サルニは電子メールを通じ取材に対し、エコラボの調査結果は一般消費者が飲料水の品質をどのように見ているかについての貴重な知見を提供するものだと述べた。
「高年齢層の方が水の品質と安全性を重視する傾向にあるが、対象となったすべての世代が水の安全性と品質を非常に重要視していることが、この調査で示された」
「飲料水の質は公衆衛生の問題なので、これは驚くべきことではない。この調査結果は、水インフラと革新的な技術への適切な投資を確保するよう、官民双方へ促すものだ」
(forbes.com 原文)