『Hellblade II』も危うい? 『HI-FI RUSH』開発元のサプライズ閉鎖で懸念広がる

『Hellblade II』は、製作の質が非常に高く、優れた近接戦闘システムも魅力ではあるが、それでも『The Elder Scrolls』や『エルデンリング』に太刀打ちできるような作品ではない。ストーリー重視の比較的小規模なゲーム内容は『Alan Wake 2』とも似ている。『Alan Wake 2』は非常に高い評価を受けたが、製作費を回収するのに苦労しており、『Hellblade II』も同じ道をたどるかもしれない。

マイクロソフトが『Hellblade』のようなゲームの「成功」をどのような基準で測っているのかはわからない。同作は発売と同時にGame Passでもリリースされる予定だ。Game Passでは、あるゲームを気に入って永久に保持したいと思ったら購入するオプションもあるのだが、『Hellblade』は1回限りの短いストーリーを楽しむものであるため、多くの人にとって、購入すべき理由はほぼないだろう。

『Hellblade II』をめぐる懸念が高まったきかっけは、同作の発売が2週間後に迫っているのにもかかわらず、宣伝があまり行われていないことに人々が気づいたことだ。XboxのX(旧ツイッター)公式アカウントが、同作のそっけないプロモーション投稿を行ったことも、マイクロソフトマーケティングに力を入れていないことの証明として受け止められ、嘲笑を呼んだ。

その後、Xboxマーケティング担当副社長のアーロン・グリーンバーグは、今週始まった『Hellblade II』のマーケティング施策を列挙する投稿を行ったのだが、そうした投稿をしなければならない時点で、同作に関する世間の感情が良い状態にはないことがわかる。

また、マイクロソフトは『Hellblade II』を、最終的にPlayStationで発売するゲームに含めることを検討しているとの報道もある。そうなればある程度の収益は得られるが、Xbox独占タイトルとしての価値は下がるだろうし、Xboxが競合と共有するIPとしてはこれまでで最も大きなものになるだろう。

人々が抱いている懸念は明確だ。『Hellblade II』が発売され、良作として評価され、ゲーム賞を受賞したとしても、Ninja Theoryは安心できず、『HI-FI RUSH』のTangoと同じ運命をたどるかもしれない。たとえマイクロソフトがそうはならないと保証したとしても、同社の言うことはもはや信用できないのだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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