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2024.05.10 08:00

バイオ業界に革新、新薬の動物実験で「並列化」に成功した米Gordian Biotechnology

これが可能なのは、疾病に罹患した細胞1つを標的として細胞治療を行うからだ。実験室で試験管の中の1つの細胞を用いて治療法をテストする薬のスクリーニングに似たプロセスだが、動物の一部を構成する細胞を用いているため、実際の患者を使って薬剤の効果をテストするのにより近いという利点がある。

AIソフトウェアを用いた分析

「我々は、全てがうまく機能したときに、治療的に何が起こるのか答えを出したい」とジェンセンは言う。テストが終わると、細胞は動物から取り出され、ゴルディアンの人工知能(AI)ソフトウェアを使って分析される。このソフトウェアは、新薬候補の各細胞における働きを過去の臨床データに基づいて分析し、良い候補であるかどうかを予測する。このプロセスを導入することで、動物の健康に影響を与えることなくテストを行うことができる。

ゴルディアンによると、彼らはこれまでに行った複数の実験を通して、プラットフォームの有効性を実証できたという。例えば、同社は肝臓病を持つマウスに対し、50種類の遺伝子治療をテストしたが、その内16種類は既に臨床データがあった。同社のプログラムは、それら16種類の治療法のうち13種類を潜在的な治療法として正しく特定することができたという。馬の変形性関節症の治療法についても、同様の精度を示したという。

今後、ゴルディアンは薬物スクリーニング・プラットフォームを使って新たな治療法の可能性を特定し、自社で臨床試験を行うことを目指している。同社が最初にターゲットにする疾患は、脂肪肝疾患、変形性関節症、心不全だ。同社はまた、他の製薬会社と提携し、加齢に関連する疾患の治療薬開発に同社のデータを活用することも計画している。

「我々の使命は、できる限り多くの病気を治すことだ。これは、普遍的な使命だと考えている。なぜならば、誰しもが自分自身や愛する人のために、これらの病気を治療したいと考えているからだ」と、ルポートは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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