健康

2024.05.11 18:00

世界の肥満人口は10億人、子どもにも悪影響及ぼす「間食のリスク」

間食による体重増加はまた、高血圧や糖尿病、心臓病など、さまざまな慢性疾患の一因にもなる。例えばアメリカ心臓協会によると、毎年の糖尿病新規発症者の30%から53%が肥満と関係している。こうした慢性疾患のほとんどは、ライフスタイルの改善と、食生活や運動を重視した選択によって予防することが可能だ。

さらに、不健康な間食は、子どもや青少年の健康にも計り知れない影響を及ぼす。子どもも大人も、間食が習慣となっている場合が多い。特に子どもは、テレビを見る時などに間食しがちだ。子どもはまた、テレビで不健康な菓子の広告を目にし、それが間食を選ぶ際の選択を左右する可能性がある。

米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では、子どもと青少年の1500万人近くが肥満だ。不健康な間食という全米的な風潮に対処しなければ、この数字は今後ますます増えていく可能性がある。

最後にもう一つ。糖分や脂肪分を多く含んだ間食を食べていると、歯の衛生もリスクにさらされる。例えば、糖分の多い菓子は、口腔内の常在菌にとっての栄養だ。そうした細菌は、口腔内で糖分を分解し、歯垢形成の一因である酸をつくりだす。歯垢が残ったままだと、いずれは歯に穴が開き、虫歯になってしまう。

不健康な間食は、私たちの全般的な健康とウェルビーイングに深刻な脅威となり得る。しかし、栄養的に優れた食品を選べば、間食がバランスの取れた食生活の一端を担うことも可能だ。そうした食品には、全粒粉や果物、野菜などがある。

より健康的な間食を意識的に選ぶよう人々に促すことは、米国における間食問題の取り組みを後押しするだろう。例えば学校や職場などで、より健康的な間食が選べる環境を整えたり、幼いころから、健康的な間食習慣を身に着けるよう教育するということだ。親や子ども、教育機関、食品メーカーが力を合わせて取り組めば、米国の風潮が一変し、健康的な間食習慣が育まれる可能性がある。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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