北米

2024.05.03 11:00

休日や勤務時間外に職場と「つながらない権利」、米国でも法制化の動き

また、ヘルスケア関連や公共の安全、特定の重要インフラなどの24時間体制で対応する必要があるサービスや職種には、柔軟な運用が認めれる場合もある。しかし、このような場合であっても、雇用主は通常、従業員の休息を尊重し、定時外に行われた労働に対して適切な報酬を支払う必要がある。

ヘイニー議員は、スタートアップや投資銀行などの「ペースの速い業界」で働く人々は通常、長時間労働や夜間、週末の勤務が必要になると認識していると述べている。このような場合、企業は「相互の合意や同意、明確さ」を何が公正で何が公正でないかについて持つことができる。

「この法案は、オンコール待機や長時間労働を要求される可能性のある分野を含む、カリフォルニア州のすべての企業や雇用形態に対応できる柔軟性を持つものだ。州の大企業の多くは、すでに他国で導入されたつながらない権利を遵守しており、そのような国でも会社を急成長させている」と議員は述べている。

世界で法制化される「つながらない権利」

グローバル人材の採用プラットフォームRemote(リモート)が発表した世界の「ワーク・ライフ・バランス」ランキングで米国は、60カ国中53位とされている。このランキングで3位のフランスは2017年に世界で初めてつながらない権利を法制化しており、オーストラリアやアルゼンチン、ベルギー、コロンビア、ギリシャ、メキシコ、ポルトガル、イタリア、スペインを含む12カ国がこれに続いている。

「これらの国々は、国民に優れたワーク・ライフ・バランスを提供しているが、この分野で遅れをとる米国は今もなお、労働者からできるだけ多くを搾り取ろうとしている」とヘイニー議員は述べている。

ビジネスやマネジメントの国際動向を扱う査読付きの学術誌IJMAR(International Journal of Management and Applied Research)の調査によると、デジタルツールの使い過ぎは人間にとって持続可能ではなく、労働者の幸福に悪影響を及ぼし、燃え尽き症候群につながる可能性があるという。常にネットに接続されている状態は、より高いレベルのストレスや不安、睡眠障害、幸福感の悪化を引き起こす可能性がある。

forbes.com 原文

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