豪誌カンバセーションは、米国の人口構成は欧州諸国と比較してかなり若いにもかかわらず、政界の高齢化が著しいと指摘する記事を掲載した。大統領だけでなく、米国では議会にも高齢者が多い。これは党に関係なく見られる傾向だ。
上院では、民主党のチャック・シューマー院内総務が73歳、共和党のミッチ・マコネル院内総務が82歳。共和党のチャック・グラスリー議員は再選されたばかりで、90歳になっても引退する予定はない。無所属のバーニー・サンダース議員も82歳だが、まだ引退の準備はできていないようだ。民主党のダイアン・ファインスタイン議員は在任中の昨年秋、90歳で死去した。
下院では、民主党のナンシー・ペロシ前議長が、83歳にして19期目の再選を目指して出馬することをすでに表明している。民主党のビル・パスクレル・ジュニア議員は87歳、エレノア・ノートン議員と共和党のハル・ロジャース議員はともに86歳、民主党のマキシン・ウォーターズ議員は85歳、民主党のステニー・ホイヤー議員は84歳だ。
2020~22年の米下院議員の平均年齢は、国民の平均年齢を20歳ほど上回っていた。下院議員の平均年齢は過去40年間上昇し続けており、現在の中央値は58歳だ。上院では65歳とさらに高い。一方、英下院の平均年齢は50歳で、欧州議会やドイツ連邦議会もほぼ同じだ。フランス国民議会の平均年齢は48歳と、さらに低い。
米国とは逆に、欧州の政界は近年、低年齢化が進んでいる。例えば、欧州の首脳の平均年齢は、1980年代には65歳を超えていたが、現在は53歳にまで下がっている。欧州連合(EU)加盟27カ国の首脳のうち、60代はわずか6人しかいない。ほとんどが40~50代で、70代以上の首脳は皆無だ。