北米

2024.04.16

トランプが法廷で2度も居眠り、SNSは「スリーピー・ドン」と揶揄

Getty Images

ドナルド・トランプ前米大統領は15日、ニューヨークで始まった不倫「口止め料」疑惑の公判に出廷した。傍聴した複数の記者は、トランプが公判中に居眠りをしたようだったと指摘。これを受けてSNSには、トランプがバイデン大統領につけたあだ名の1つ、「スリーピー(眠そうな)・ジョー」をもじった「スリーピー・ドン」という言葉が登場した。

トランプの居眠りについては、ニューヨーク・タイムズのマギー・ハバーマン記者が最初に報じた。公判を速報する同紙のブログで、正午ごろ、トランプの「頭が下がり続け、口元が緩んでいる」と書いた。

ほどなくしてハバーマンは「数分前に弁護士が渡したメモに気づき、トランプはどうやら目を覚ましたようだ 」と書いた。

ハバーマン以外の記者も居眠りに気づいた。ロイター通信のジャック・クイーン記者は裁判を取材する記者らとやりとりした電子メールに、トランプは午後3時前に「腕組みをしたまま椅子にもたれかかり、数分間ずっと目を閉じていたようだった」と書いた。「昼寝」というより「 居眠り」をしているように見えたとも指摘した。

訴訟ニュースサービスのコートハウス・ニュースのエリック・ユーベラッカー記者も正午過ぎに「トランプが居眠りをしているのは間違いない。あごが胸に当たり、それから頭が上がった」とX(旧ツイッター)に書き込んだ。法律ニュースサービスLaw360のスチュワート・ビショップ記者は「トランプは今居眠りをしているようだ」とXに投稿した

トランプに批判的な人々はすぐにこうした指摘に飛びつき、トランプがバイデンに付けたあだ名「スリーピー・ジョー」をもじって「スリーピー・ドン」というニックネームをSNS上で生み出した。

ハバーマンはCNNに「他の裁判でもトランプが動かず、まるで眠っているかのように見え、その後動いたことが何回かあった」「今回、トランプは弁護士のトッド・ブランシェが渡したメモに注意を払わず、あごが胸まで下がり続け、口元は緩み続けた」と語った。

様々な刑事裁判や民事裁判を抱えるトランプは、法廷で感情をあらわにすることが多い。1月には作家のE・ジーン・キャロルがトランプを相手取って起こした名誉毀損訴訟の最終弁論中に法廷を飛び出し、陪審員を耳元で大声であざ笑ったことで判事から注意を受けた。

この民事訴訟を担当するマンハッタンの判事は同月、政治的な発言をしないよう命令されていたにもかかわらずトランプが法廷で「私に対する詐欺だ」と発言した際、トランプの弁護士に「依頼人をコントロール」するよう求めた。

今回の刑事裁判では、トランプは不倫の口止め料を不正に処理した罪に問われている。検察は、2016年の大統領選の前にトランプが不倫関係にあったポルノ女優のストーミー・ダニエルズに、関係を口外しないよう支払った口止め料に関連して、34件の罪状でトランプを起訴した。トランプは、口止め料を立て替えた元弁護士のマイケル・コーエンに立替金を支払った際、業務記録を改ざんしたとされている。

トランプは無罪を主張し、不倫関係を否定している。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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