現在81歳のバイデン大統領は、86歳まで続く次期の続投を目指している。対するトランプ前大統領も77歳と、高齢であることに変わりはない。
ホワイトハウスは2月28日、バイデン大統領の健康診断結果を公表し、主治医が同大統領は「例外や便宜を図ることなく」すべての任務を果たす能力があり、「職務に適している」と判断したと強調した。トランプ前大統領の在任中にも、同様の健診結果が公表された。
だが、米紙ニューヨーク・タイムズが報じているように、有権者が懸念しているのは、両者の記憶力が目に見えて悪化しており、時に混乱さえしていることだ。これを「年寄りの物忘れ」だと批判する政治評論家もいる。
トランプ前大統領も同じような問題を抱えているにもかかわらず、バイデン大統領の年齢だけが取り沙汰されているのは不公平だと言わざるを得ない。例えば、米誌アトランティックは先月、有権者の圧倒的多数が、バイデン大統領は次期を務めるには年を取り過ぎていると考えていると指摘。同大統領は「見るからに老けており、歩き方も年寄りくさく、かつてのような切れはない」と批判した。こうした描写を巡っては、大統領本人のほか、カマラ・ハリス副大統領やホワイトハウス報道官が「根拠がなく不適切」だと反論した。
だが、米紙USAトゥデイによれば、特に若い有権者の間では、バイデン大統領やトランプ前大統領の再選を望まない理由に年齢を挙げる割合が大きい。さらに深刻な問題は、大統領だけでなく、米国の政治家が全体的に高齢化していることだ。若い層だけでなく、中年の有権者にとっても、高齢の政治家は自分たちとは感覚がずれているように感じられることもあるだろう。