政治

2024.04.19 12:30

高齢化が進む米国の政界、老齢の政治家が支配する社会の問題

米国のジョー・バイデン大統領。2024年4月16日撮影(Eduardo Munoz Alvarez/Getty Images)

米国のジョー・バイデン大統領。2024年4月16日撮影(Eduardo Munoz Alvarez/Getty Images)

米国で大統領選挙運動が本格化する中、2大候補となっている現職のジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の年齢に注目が集まっている。この議論は、米国と欧州の政治家の年齢の比較にまで及んでいる。この点で、米国と欧州は真逆の方向に進んでいるからだ。政府でも議会でも若返りが目立つ欧州とは対照的に、米国では高齢化が著しい。

現在81歳のバイデン大統領は、86歳まで続く次期の続投を目指している。対するトランプ前大統領も77歳と、高齢であることに変わりはない。

ホワイトハウスは2月28日、バイデン大統領の健康診断結果を公表し、主治医が同大統領は「例外や便宜を図ることなく」すべての任務を果たす能力があり、「職務に適している」と判断したと強調した。トランプ前大統領の在任中にも、同様の健診結果が公表された。

だが、米紙ニューヨーク・タイムズが報じているように、有権者が懸念しているのは、両者の記憶力が目に見えて悪化しており、時に混乱さえしていることだ。これを「年寄りの物忘れ」だと批判する政治評論家もいる。

トランプ前大統領も同じような問題を抱えているにもかかわらず、バイデン大統領の年齢だけが取り沙汰されているのは不公平だと言わざるを得ない。例えば、米誌アトランティックは先月、有権者の圧倒的多数が、バイデン大統領は次期を務めるには年を取り過ぎていると考えていると指摘。同大統領は「見るからに老けており、歩き方も年寄りくさく、かつてのような切れはない」と批判した。こうした描写を巡っては、大統領本人のほか、カマラ・ハリス副大統領やホワイトハウス報道官が「根拠がなく不適切」だと反論した。

だが、米紙USAトゥデイによれば、特に若い有権者の間では、バイデン大統領やトランプ前大統領の再選を望まない理由に年齢を挙げる割合が大きい。さらに深刻な問題は、大統領だけでなく、米国の政治家が全体的に高齢化していることだ。若い層だけでなく、中年の有権者にとっても、高齢の政治家は自分たちとは感覚がずれているように感じられることもあるだろう。

米国と欧州の政治家の年齢差

米国の年老いた政治家と、欧州の若い指導者の違いについて考えてみよう。
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翻訳・編集=安藤清香

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