では、企業側はどんな方法で学生の採用を決めているのだろうか。
インターンシップや本選考の過程には、ES(エントリーシート)や面接、筆記テストやWebテスト(一般教養・論文試験・性格検査)グループディスカッションなどの課題が存在する。
これらの選考過程に総じて言えるのは、「テクニックを制するものが就活を制す」ということである。
「就活塾」は全国に80〜100社もある、といわれることからも分かるように、就活を成功させるにはテクニックが必要である。
例えばESや面接では、学生時代の実績を多少盛るくらいでようやく突破できるとも言われる。また、グループディスカッションでの立ち回りにおいて、企業ごとに求められる人物像を研究して「演じる」学生は多い。
また、自分自身が学んだ就活テクニックとして、「戦略的にインターンに参加しない」ことが挙げられる(※業界によって事情は異なるが、筆者自身が経験したマスコミ就活においてはそう感じた)。
夏インターンでは上級まで進んだ優秀な就活生が、本選考では書類や一次面接で落とされていく様を複数回目の当たりにした。これは、インターンに参加することで就活生のポテンシャルの限界が見えてしまうことが原因だと考えられる。本選考一発で挑んだ方が内定を取りやすい場合もあるのだ。
このように、愚直さより要領の良さが求められる選考過程。果たして学生の本質を見極められていると言えるだろうか。
4.学歴フィルター
就活においては学歴格差も浮き彫りになる。出身大学のレベルを一定程度定めている企業は多い。本質的には優秀な人でも、大学受験に失敗すると、そもそも選考の土俵に上がれないことがあることが問題だ。
実際、面接の冒頭でも大学名と名前を言うように指示されることが多く、大学が自分のスキルを証明するツールの一つになっていると感じる。
これは日本の受験制度や経済格差にも関わる問題なので根が深い。就職に有利な有名大学に通うには塾に通うのが当たり前で、それは家庭の経済事情にも関わる。