宇宙

2024.03.18 17:00

春分の後に春の満月「ワームムーン」が昇る、今週の夜空

ノルウェー、トロムソから見た満月の夜のオーロラ(Getty Images)

ノルウェー、トロムソから見た満月の夜のオーロラ(Getty Images)

今週、星空観賞をする人たちにとって1つの節目がやってくる。春分は、昼と夜の長さが世界中で同じになることを意味している。この日以降、夜の長さは昼よりも短くなっていき、星を見るためには遅くまで起きていなくてはならなくなる。春分にはまた別の効果もあり、地軸の傾きが太陽に対して平行になるため、統計的にオーロラの発生頻度が高くなり、より強くなる。

今週は、3月の満月である「ワームムーン」に向けて月が満ちていく理想的な月見の時期だ。満月になるのは3月25日月曜日で、そのとき水星は今年で最も高く昇る。

今週の星空観賞と天体について知っておくべきことを以下に紹介する。

3月19日(火曜日):月とふたご座

この日、暗くなってから東を見ると、輝面比62%の満ちていく月の近くに、ふたご座の2つの明るい星、カストロとポルックスが見つかる。それぞれ52光年と34光年太陽系から離れており、夜空で46番目と17番目に明るい星だ。

3月20日(水曜日):春分

この日の12時6分(協定世界時19日23時6分)、北半球は春分になり、太陽は赤道の真上を通過して北へ向かう。同日を境に北半球では昼が長く(したがって暖かく)なり、南半球では昼が短く(寒く)なっていく。春分の日の昼と夜の長さは世界中で同じになる(訳注:日の出と日の入の定義によって、春分の日の日の出から日の入までの時間は正確な1日の半分にはならない)。

北半球では、3月の春分は天文学的な春の始まりを示し、南半球では秋の始まりを示す。

3月22日(金曜日):月とレグルス

輝面比93%の満ちていく月が、しし座で最も明るい星であるレグルスと、日没後の東の夜空で接近する。レグルスは地球から77光年離れた、夜空で21番目に明るい星だ。

3月25日(月曜日):ワームムーン、水星が東方最大離角

小さな惑星である水星を見る今年一番のチャンスだ。この日、水星は太陽から最も離れた位置にくる。見つけるには、双眼鏡を使って、日没後30分後くらいから南西の地平線の上高度9度付近を見る。すぐに沈んでしまうので、見えている時間20分ほどと短い。

この日は2024年で3番目、北半球の春で最初の満月となるワームムーンが昇る。一部の国々では、わずかな半影月食が見られる。

月は、4月8日に北米とメキシコの一部で見られる劇的な皆既日食に向けて、正確に正しい経路を進んでいる。

サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジに昇る「ワームムーン」(Tayfun Coskun/Anadolu Agency via Getty Images)

サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジに昇る「ワームムーン」(Tayfun Coskun/Anadolu Agency via Getty Images)

今週のアステリズム:北斗七星

北斗七星(The Big Dipper)は、はっきりと柄杓(ひしゃく)の形をした7つの星からなるグループだ。北斗七星を形成する星々は、太陽系に最も近い散開星団といわれている。

北斗七星は、夜空で最も見つけやすい形の1つだが、星座ではなくアステリズム(星群)と呼ばれている。星座が国際天文連合によって定義されているのに対して、アステリズムは複数の恒星からなる形を呼ぶ口語的定義だ。北斗七星は、より大きい星座であるおおぐま座の一部を成している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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