グリーン水素でウイスキー蒸留所を動かす 「やまなしモデルP2Gシステム」とは

プレスリリースより

山梨県は、グリーン水素の製造と供給による県内のエネルギー需要転換を目指しているが、2月20日、それを実現させる独自技術「やまなしモデルP2Gシステム」の国内最大級の実験施設の起工式が行われた。

同県は、電力、繊維、電気機器など国内の大手企業10社とコンソーシアム「やまなし・ハイドロジェン・エネルギー・ソサエティ」(H2-YES)を結成。NEDO(産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業の採択を受けて「やまなしモデルP2Gシステム」の開発を進めている。

実験施設は、白州地区にあるサントリーの2つの工場「サントリー天然水 南アルプス白州工場」と「サントリー白州蒸留所」に隣接する場所に建設される。そこからグリーン水素を工場に供給し、工場では水素ボイラーで発生させた蒸気を利用する。この施設に備えられる固体高分子型水電解システムは、16メガワットという国内最大級のものだ。

グリーン水素とは、再生可能エネルギーで作られた電力で水を電気分解して製造される水素のことで、製造時に二酸化炭素を排出しないものを指す。2020年にドイツ連邦政府が発表した国家水素戦略で、水素の6つの製造方法を色で示したのが一般に浸透した。そこではグリーン水素がもっとも持続可能とされている。
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コンソーシアム参加企業は、東レ、東京電力ホールディングス、東京電力エナジーパートナー、日立造船、シーメンス・エナジー、加地テック、三浦工業、サントリーホールディングス、ニチコン、やまなしハイドロジェンカンパニー。山梨県の長崎知事は「この優れたシステムが国内外のより多くの地域で活用され、水素社会の実現と地域経済の発展につながるよう」取り組みを前進させると話している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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