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2024.03.05

海外投資家からの返信を勝ち取る 英文コールドコールメール術

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私が通っていたスタンフォード大学MBAで最も人気の授業の一つがWinning Writingでした。「勝つためのライティング術」ということで、どうすればより相手の気持ちを動かし目的を勝ち取るメールが書けるかを学びます。ここまで真剣にライティングについて考えたことなかった私にとっては目から鱗でした。

現在、ベンチャーキャピタリストとして働くなかでは、米国起業家からのコールドコール(面識がない相手への営業)のメールやLinkedinのメッセージも数多く届きます。よく見てみると彼らの文面はまさにこの授業で学んだ型を実践に落とし込んでいます。近年英語圏での資金調達や事業開発を考える起業家は日本でも増えてきたと思います。特に直接面識がない方にコールドコールをする場合は返信をもらう難易度も高く、どうすれば相手に興味を持ってもらえるメールが英語で書けるのか、多くの方にとって悩みの種なのではないでしょうか。

今回は、実際の米国起業家からVCへ送られたメールを参考に作成した例文をもとに、MBAの授業内容も交えながら、返信を“勝ちとる”ポイントをいくつかご紹介します。

例文

⓪【件名:Interested in a Series A investment opportunity of a healthcare robot startup?】
ヘルスケアロボットスタートアップのシリーズA調達にご興味ありますか?

①My name is Anna Nakayasu.I’m a physician and second-time healthcare entrepreneur building a startup called Company XYZ, along with Dr. Robot who has been a robot engineer for 20 years. 

私は中安杏奈です。医師であり、2度目のヘルスケア起業家として、ロボットエンジニアとして20年のキャリアを持つロボット博士とともに、XYZ社というスタートアップを立ち上げています。

②Company XYZ spun out of University X’s most famous AI research lab, and is building fully automated robots that can replace physicians to decrease their workload. 

XYZ社は、X大学の最も有名なAI研究室からスピンアウトし、医師の業務量を減らす完全自動化ロボットを製造しています。

③We currently have pilot contracts with 10 hospitals across Japan. Because our robots can have emotional human-like conversations, they have been received positively by patients as well. 

現在、日本全国で10の病院とパイロット契約を結んでいます。人間のような感情的な会話ができるので、患者からも好評です。

④We are currently raising our series A round to accelerate our go to market strategy, with commitments from Fund X, one of the largest VCs in Japan, and major robotics company Y as co-leads, and looking to fill the remainder of the round.

私たちは現在、市場投入戦略を加速させるためシリーズAラウンドの資金調達をしています。すでに日本では最大規模のVCであるファンドXと大手ロボット企業Yから共同リードとしてのコミットが決まっており、フォロー投資家を探している状況です。

⑤We saw that you are an active investor in AI and healthcare, and would love to have your expertise on board. Your insight around business development with hospitals would be incredibly helpful to us at this stage.

御社はAIとヘルスケアに積極的な投資家であると伺いました。病院との事業開発に関してお持ちの見識は、私たちのようなフェーズの企業にとって非常に有益です。

※例文は実在する企業・人物とは一切関連ありません
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文=中安杏奈 編集=露原直人

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