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2024.03.05 13:15

海外投資家からの返信を勝ち取る 英文コールドコールメール術

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6つのポイント解説

⓪件名は日本語のメール術と変わらず、とにかくシンプルに目的をはっきりさせることがポイントだと思いますが、この際コールドコールであれば “interested in~”という表現が便利です。
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①簡単に自己紹介。過去の職歴はformer-〇〇、学歴は〇〇-alum、専門性ある職種はphysician/engineerなど、シリアル起業家ならsecond time entrepreneurといった表現を活用しアピールポイントになりそうな点を盛り込みます。他のチームメンバ―についてここで述べるのも良いです。日本人的な発想だと、自分を表現するときに謙虚になりがちですが、過去の経歴も含めてアピールする方が目に留まりやすいです。

②会社の簡単な概要を説明します。特に、自社がどのような価値を提供しているのか(Value Proposition)を明記すると伝わりやすくなります。

③トラクションについて、有名企業・顧客名や数字を使ってアピールすることや、懸念されそうな点についてポジティブな反響があれば併せて記載することが考えられます。例文で言えば「人間も親しみを持てるロボットなのか」という疑問が出ることを見越して、「人間のような感情的な会話ができる」と説明します。売り上げが立っている会社なら具体的な数字や成長のペースを記載するのも有効でしょう。
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④調達状況・マイルストーンの共有を行います。すでに一部の投資家のコミットが決定していれば、投資家名のアピールを行うことも効果的です。日本のファンドや事業会社の名称だけだとイメージが湧かない可能性もあるため、「日本で最大規模の」や「●●業界で著名な」といった枕詞を添えることも良いでしょう。また、調達に関しては、リード/フォローどちらを探しているのか、残りいくら調達したいのかなどを可能な範囲で記載すると、相手方VCにとって投資対象となるのか判断しやすくて会話がスムーズです。

⑤メール送り先の個人・ファンド・企業について情報収集し、戦略や長所について把握したうえで自社との関連性をアピールします。具体的にどのように支援してほしいかまで述べることで、受け手も返信しやすくなります。コールドコールは返信が来る可能性は高くありません。だからこそ、いかに相手が返信したくなるか、しやすくするか、を考えることが非常に重要です。

一見難しい英文メールですが、勝ち方程式さえマスターすれば返信率は一気に上がります。⓪〜⑤を順番に書いていくことをオススメします。全体を通して言えるのは、

1. 謙虚になり過ぎず、使えるブランド名・数字は遠慮せずに徹底的に有効活用する
2. 受け手について調べた情報を織り込むことで本気度を伝えつつ、相手の判断に資する情報をできる限り提供することで先方が返信しやすくする

の2点が重要だと思っています。

実際は、信頼できる方による紹介を優先するべきかなとは思います。とはいえ特に海外の投資家や事業パートナーの場合はコールドコールしか到達手段がない場合もあるでしょう。そのような場合にはぜひ例文をご活用ください。

文=中安杏奈 編集=露原直人

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