こうした絶え間ない「もっと欲しい」という衝動が、交際相手をとっかえひっかえしたり、波乱に満ちた恋愛関係にはまったりする原因となっている可能性がある。安定していて一貫性があり、究極的に高い満足感を得られる自分にぴったりのパートナーではなく、不適切な相手との付き合いを求めてしまうのも、そのせいかもしれない。
ソーシャルメディアにも、同じ依存を引き起こすリスクがある。たしかに、投稿の中には琴線に触れるものがある。だが、一過性の感情以上の何かが心に残るような投稿がどれだけあるだろうか。携帯端末を置いてトイレに行ったり、寝たり、家族と団らんしたりする気になれるほどの満足感をもたらす投稿は、幾つあるだろうか。結局は満たされない心を抱え、SNSから得られる一時の感動を求めて、スマートフォンの画面を延々とスクロールし続ける羽目になる。
もちろん、「ドリトス理論」は依存のメカニズムの一要素のみを取り上げたにすぎない。何かに依存したり、悪い習慣をやめられなかったりする要因は、他にもいろいろ考えられる。しかし、この「理論」は、自分の行動を新たな視点で振りかえるのに役立つ。
何であれ、「ドリトスを一袋食べ尽くす」ような状況に陥りつつあるときには、自問してみよう――「これが全部終わった後に、自分はどう感じるだろう?」と。その答えが、「それほどよい気分じゃなさそうだ」だった場合は、やめておくのが得策かもしれない。
(forbes.com 原文)