人気のクリエイターたちは、不気味の谷を表現するために黒いアイシャドウを使って黒目を大きく見せたり、黒いリップライナーを使って唇の角を伸ばしたりしている。
2015年に学術誌Frontiers in Psychologyに掲載された論文によると、人間そっくりの顔に本物らしくない目がついているといった、ミスマッチな特徴に人は不快感を覚える。これを「知覚的ミスマッチ理論」と言い、不気味の谷現象の説明によく用いられる。
もう1つの理論である「全体処理」は、ヒューマノイドの顔のパーツの大きさや位置に対する人間の感受性によって不気味の谷現象が起こるとしている。
「不気味の谷」という言葉は、1970年代に日本のロボット工学者である森政弘が提唱したものだ。森は当時執筆したエッセイで、ロボットが人間にそっくりではあるものの、明らかに人間とは異なるときに、人間の感情は共感から不気味さへと変化するという仮説を立てた。
この理論は、ロボット以外にも当てはまる。2019年公開の映画『キャッツ』は、人間の特徴とアニメのネコの特徴を組み合わせたキャラクターで人々をゾッとさせた。この映画が不気味の谷を感じさせるとして、「悪夢を見そうだ」と批判する人もいた。
(forbes.com 原文)