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2024.01.31 09:30

ハイテク大手は「世界的な選挙イヤー」のAI偽情報をどう監視する?

Shutterstock.com

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今年は世界的な選挙イヤーで、各国で数十億人が投票することが予想されている。専門家は、普及が進むChatGPTなどの人工知能(AI)ツールによって偽情報が拡散し、選挙に悪影響を及ぼすことを懸念している。これを受け、世界のハイテク大手は、コンテンツ監視に関するポリシーを相次いで公表している。

OpenAI

チャットボットのChatGPTや画像生成AIのDall-Eなど、人気の高い生成AI製品を開発するOpenAIは、政治家やロビイストらが同社のツールを選挙活動に利用することを禁止し、有権者の投票を妨げるようなアプリケーションを停止すると発表した。同社はまた、ユーザーが同社のツールを使って候補者や政府関係者、政府になりすますことを禁止し、有権者が画像を信用できるかを判断するのに役立つ認証ツールを導入することを明らかにした。

メタ

フェイスブックやインスタグラム、スレッズ、WhatsAppなどのアプリを提供するメタは、国営メディアのラベルづけや、それらのメディアによる米国内の人々をターゲットにした広告のブロック、米国の選挙戦の最終週における新たな政治広告の掲載禁止といった従来の方針を継続する。また、広告主に対して、政治・社会・選挙関連の広告コンテンツの作成や改変にAIを使用した場合に、それを開示するよう求めると述べている。

グーグル

テック企業としては初めて選挙広告の広告主に対してAIや他のツールを使ってコンテンツをデジタル加工した場合に、それを明確に開示するよう求めたと主張するアルファベット傘下のグーグルは、同社のAIチャットボットのBard(バード)やその他の生成AI製品が回答できる選挙関連のクエリを制限することを明らかにしている。

YouTube

同じくアルファベット傘下のYouTubeは、コンテンツ制作者に対して、2024年にリアルな合成コンテンツや改変動画を作成した場合に開示することを義務づけ、ラベルづけによって視聴者がその事実を把握できるようにする方針だ。同社は、この戦略によって「AIを用いた強力で新しいストーリーテリングによる潜在的な被害を食い止めることができる」と述べている。

X(旧ツイッター)

Xは、偽情報や誤った情報の拡散防止に十分取り組んでいないとして批判されている。同社は昨年、選挙の誤報を報告するツールを廃止し、偽情報や誤情報に対処する「選挙インテグリティ」のチームを解雇した。同社のオーナーでビリオネアのイーロン・マスクは、このチームが選挙の公正性を損なっていたと主張している。

Xは、偽情報に対抗する主な手段として、クラウドソーシングによって事実確認をする仕組みの「コミュニティノート」の活用を推進している。しかし、コミュニティノートには欠陥があり、誤りを犯しやすく、不十分であるとして多くの批判を受けている。
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編集=上田裕資

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