先日、経済産業省近畿経済産業局が主催する「LOCAL X Forum」に登壇するために、岩手県遠野市を訪れたときのトークセッションでも、コミュニティがうまく回るメカニズムについてとのお題に、お互いを「和える」ことの重要性についてお話しました。ほうれん草の胡麻和えを想像してみるとわかるように、食材の形を変えずに混ざりあっていると思います。
コミュニティづくりでもこれが大切で、強制的に混ぜすぎると分離や決別を生んだりするので、ほどよく混ぜればお互いがやりたいことや目的がうまく調和して互いを尊重してほうれん草と胡麻のように引き立て合うことができると考えています。
共創コミュニティは余白、関わりしろをつくることからはじまる
セッションをしていく中である種、互いの立場や利害などの境界線をあいまいにすることで、重なる部分を見出し、「この人となんかやりたい」という感情が互いに芽生えれば、自ずと組織の壁を乗り越える力が生まれます。共創を生むコミュニティでは、大きなまちをよくしたいなどの共通目的を掲げ、具体的な活動内容などに余白や自分で解釈でどうにかできる部分を残せば残すほど、自発的な活動をする団体になっていくと考えています。
よく公園を例に出して話しますが、野球やボール遊び禁止、花火禁止などたくさんのルールが引かれれば引かれるほど、余白がなくなり、結果的に遊べなくなる。筆者が小学生の時代は、目的なく公園に集合し、集まったメンバーで「何をやるか」を考えて遊んでいました。でも、今の公園をみてると、子どもがただ集まれる場所では少しずつなくなってきている気がします。
コミュニティも同じでルールがガチガチであれば進めるスピードはもちろん早くなっていきますが、してはいけないことが増えたり、参加頻度が低いため、参加できない人などは排除され、結果的に閉鎖的なコミュニティになることがあります。
大阪・八尾のみせるばやおもそうですが、オープンファクトリーのイベント「FactorISM」は、活動に余白を残し、参加できる地域や関わりしろを増やすことで5エリアからはじまったプロジェクトが一気に4年で11エリアに拡大し、参加企業も35社から、83社に増え続けています。
そうすることで地域を越えて産地が集い、「違い」を認識しながら、まち、ひと、こうばを元気にしていく共創コミュニティに深化してきました。
一人じゃできなくても10人、20人、100人と力を合わせると実現できることもあります。と、それぞれどんな方法でそれを実現したいかは違うことは多いけれど、「共通の何か」をセッションしながら見つけ出し、しっかりみんなの想いに編集できれば、まちづくりは少しずつ前に進んでいきます。
いろんなまちで色んなセッションが生まれ、いろんな地域の関係性を和える人をこれからも増やしていきたいと思います。