スタートアップ

2023.12.18 17:00

最年少でグロース市場に上場 アイデミーCEO石川聡彦

AIの学習コンテンツを開始 市場トレンドの大切さ

AIやデジタルの分野に特化した、ネットフリックス型の学習コンテンツの開発と配信を行うアイデミー。法人向けには、デジタル人材育成支援のためのオンラインDXラーニングや研修を行う「AI/DXプロダクト」、デジタル変革をコンサルティング型で伴走支援する「AI/DXソリューション」、また、個人領域におけるデジタル人材育成支援として「AI/DXリスキリング」を提供する。

200以上の学習コンテンツを保有し、AIやデジタルの中でも旬となっていて今後活用が加速される分野の動画の教材を提供する。当初は個人向けにサービスを提供していたが、すぐに有名企業からの問い合わせが相次ぎ、法人向けに切り替えた。現在ではアイデミーの顧客は400社を超え、マツダやニチレイ、キヤノンといった日本や世界を代表する有名企業がアイデミーを利用してAI人材育成を行っている。

これからの戦略 M&Aでさらなる成長へ

石川氏は上場をゴールとは考えていない。アイデミーの武器はAI教育研修の顧客である、日本及び世界を代表するエンタープライズ400社以上の会社に信頼を受けていることである。なかでも最も親交が深い企業には人材育成に加えてコンサルティング事業も行っており、年間売上高は最大で一社当たり5000万円に上る。今後は、4000社を超えるとされるエンタープライズの中から新規顧客を獲得するとともに、コンサルティング事業を拡大し、この数字を最大ではなく、平均にすることで、100億円の利益を生み出すのがアイデミーの目標だ。

石川氏は顧客企業と一緒に二人三脚でプロジェクトを作り、新しい技術を生み出す瞬間に楽しさを覚える。1、2年かけてじっくりとシステムを作り上げる大企業の常識と異なり、まずはプロトタイプを作成、そしてトライアンドエラーを繰り返していくスタートアップ特有のアジャイル型カルチャーを持つのがアイデミーの強みだ。石川氏はWeb制作会社やSIerへのM&Aも積極的な姿勢を見せる上、さらには、エンジェル投資のおかげでアイデミーが成長できた経験を踏まえ、次世代の起業家を支援するためのエンジェル投資にも前向きな姿勢を見せる。


将来の起業家へ

石川氏が起業した9年前に比べて、経済面、人脈面、そして信頼というあらゆる点で今の起業家はチャレンジしやすい恵まれた環境にある。大企業がスタートアップのサービスを発注、調達、出資することも当たり前になっており、スタートアップ同士での交流も加速している。未だに、学生には起業は早い、BtoBスタートアップならば一度会社に入っておいたほうが良い、などといった厳しい声もある中、学生起業家でもBtoBスタートアップが十分グロースできることを石川氏自身が証明した。このように恵まれた時代環境に生きる学生はすぐにでも起業するべき、と石川氏は勧める。

取材:戸村光 文章:國本健

ForbesBrandVoice

人気記事