最年少でグロース市場に上場 アイデミーCEO石川聡彦

株式会社アイデミーのCEOで、2023年6月に最年少(*)でグロース市場に上場した石川聡彦氏。大企業・官僚志向の強いサラリーマン家庭で育ち、起業とは無縁の存在だった石川氏がなぜ起業を志し、上場できたのか。今回は、そんな石川氏の幼少期から将来の構想に至るまでを紹介する。

*取材時は最年少上場で現在は異なる

学生起業で失敗の連続 事業の確信に至るまで

石川氏は幼稚園の頃に歌舞伎役者のオーディションを受け、小学5年生まで子役として全国を飛び回っていたという異色の経歴を持つ。そんな石川氏が起業に興味を持ったきっかけは、中学生の時に当時希少だったゲーム機をインターネットで安く買い集めては友人にリセールすることによって利益を出し、自らお金を稼ぐことに楽しさを見出したことにあるという。その後、東京大学工学部に進学し、大学3年生のときに現在のアイデミーの前身となる会社を創業。大学生向けに弁当のデリバリーサービスや、ポイントカードアプリなどの事業を始めるも、すぐには成果は出なかった。休学を経て、修士1年の時には新卒での就活も考えていたと語る。

同世代、ライバルの存在

しかし、同じシェアオフィスに入居していたCandleの金靖征氏が22歳にして12.5億で事業売却をしたことなど、ビジネスで成果を出す周りの仲間に刺激を受け、これまで封印していたVC調達も解禁。学部時代の専門が環境工学であり、水処理分野での機械学習の応用研究に従事した経験や、当時から自動運転や医療分野など、あらゆる場面でAIが注目されていることにインスピレーションを受け、2017年にアイデミーをスタート。同年12月20日、エンジニア向けAIプログラミング学習サービス「Aidemy」の正式版をリリースした。

2023年6月に上場を果たしたアイデミーだが、そこに至るまでに石川氏は多くの困難を経験してきた。特に大変だったと語るのがチームの管理部分で、創業期の少ない社員数では、一人の退職が大きな打撃になる。そんな苦しい時期も乗り越え、アイデミーは急成長を果たした。
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取材:戸村光 文章:國本健

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