「アートスクールの学生の男女比は同じ、または女性が上回る場合もある一方、芸術家としての活動期間や商業的な成功については、不平等な状態が続いています。公表されている文書でも、このことは十分に裏付けられています」
過去のその他の調査では、女性アーティストの作品については「クオリティフィルター」の基準がより厳しいとみられるほか、女性には芸術家としてのキャリアにおいて直面する問題がほかにもあることなどから、市場に出る女性の作品は数が少なくなることが指摘されている(ただ、そのため同水準の作品のなかでも、女性作家のものには高値がつけられることも明らかになっている)。
マクアンドルーは、これらは「さらに調査すべき重要な問題」だとしている。女性アーティストが直面する偏見は、アート市場そのものにあるだけでなく制度的なものであり、キャリアパスに関連したその他の側面にもあると考えられるためだ。
作品の価格は女性が制作したものだというだけで引き下げられ、女性作家たちが商業的な面で成功を収め、キャリアを積んでいくことは、依然として難しいのが現状だ。
超富裕層の資産は3割がアート
HNWのアートコレクターたちの資産ポートフォリオにおいて、美術品が占める割合は2023年、前年の24%から19%に減少していた。これは、流動性の高い金融資産により高い関心が集まるのと同時に、裁量的支出が減少していたことを示すものでもある。だが、HNWのなかでも保有資産が多い人ほど、ポートフォリオにおけるアート作品の割合が大きくなることも明らかになっている。資産500万ドル未満の場合は平均15%、5000万ドル以上の超富裕層(ultra-high-net-worth、UHNW)の場合は、同30%近くになっている。
(forbes.com 原文)