1年間に消滅した新聞の数は、2022年には週あたり平均2紙だったが、2023年には週あたり2.5紙に増加した。今年はすでに131の新聞が廃刊しており、その結果、2005年時点にあった新聞の3分の1が2024年までに消える見通しという。
また、現在は全米の3143郡のうち、地元紙が1紙もない「ニュース砂漠」と呼ばれる郡の数が204に達している。さらに、全体の半数以上の1562郡には新聞が1紙しかなく、その多くは週刊紙だという。
今回のレポートは、ニュース砂漠が、ブロードバンドインターネットが普及していない低所得地域に多いことを指摘している。さらに、貧困層が人口に占める割合が全米平均では11.5%であるのに対し、ニュース砂漠の郡では16.6%に達していた。
メディル・ジャーナリズム・スクールの客員教授でこのレポートの共著者であるペニー・アバナシーは、「平均よりも貧しく、情報へのアクセスが乏しい地域におけるローカルメディアの減少は、民主主義に危機をもたらしている」と述べている。
新聞記者も3分の1に減少
もうひとつの問題は、ジャーナリストの数の減少だ。レポートによると、米国の新聞業界のジャーナリストの数は、2005年比で約3分の1に減少し、4万3000人が職場を去ったという。これらのジャーナリストの大半は、日刊紙に在籍していた。テキサス州は現在、全米で2番目に人口の多い州で、2005年以降に人口が50%増加したが、州内のジャーナリストの数は65%減少した。人口が最も少ない2つの州のサウスダコタ州とアラスカ州では、2005年以降に人口が20%増加したにもかかわらず、新聞記者の数は、それぞれ約33%と約66%減少した。
有料の印刷物の発行部数を追跡しているAlliance of Audited Mediaによると、今年の504紙の新聞のプリント版とデジタル版の合計の有料発行部数は1020万部だった。これに対し、2005年の有料発行部数は、プリント版の新聞のみで5000万部を超えていた。