人工衛星のローンチサービスや宇宙教育などの事業を展開するSpace BD(スペース・ビーディー)は、学習院大学との産学連携協定の一環として、高等部、女子高等部の生徒を対象に「タンパク質結晶化体験ワークショップ」を実施した。今回ISSに送られたのは、そこで作られたタンパク質のサンプルだ。このサンプルは後に地球に戻され、地上で合成したものと比較される。
Space BDは、ISSの微小重力環境を利用したタンパク質結晶の生成事業を行っている。創薬では、人の体を構成するタンパク質に作用する化合物を探すことが大変に重要な作業となるが、無数にあるタンパク質と化合物の組み合わせをひとつずつ検証するには膨大な時間がかかる。またそのためには、タンパク質のきれいな結晶も欠かせない。ISSの微小重力環境なら重力の影響を受けずにきれいなタンパク質の結晶を作ることができ、それにより、薬の開発時間は大幅に短縮され、コストも下げられる。高校生たちは、その宇宙でのタンパク質の結晶化を実際に体験することになる。
現代の高校生には、宇宙はもはや遠い憧れの存在ではなく、現実に利用できる場所となっている。こうした本物の宇宙実験を通して、宇宙産業、生命化学産業の優秀な人材が生まれることを期待したい。
プレスリリース