食&酒

2023.11.10

コオロギのビールかおいしいか 人の感情に寄り添うドリンク

プレスリリースより

コオロギのタンパク質(クリケットプロテイン)を配合したクラフトビールが飲食店向けに発売された。心理学者ロバート・プルチックが提唱した感情の輪という理論をもとに、人の感情を表現する52種類の「フィーリングビール」の第3弾となる。

この「フィーリングビール - 晴天は後悔を思う」は、昆虫食の研究開発を行うBugsWell(バグズウェル)の製品。クリケットプロテインを発酵助長剤に使い、ローストしたわかめと岩塩を組み合わせて、「キレのある深い苦味と飲んだ後に感じるかすかなトロみ」が特徴のセゾンタイプのクラフトビールということだ。
ロバート・プルチェックの感情の輪。

ロバート・プルチェックの感情の輪。

「フィーリングビール」は、アメリカの心理学者ロバート・プルチックが1980年に提唱した「感情の輪」という感情モデルにもとづいて、52種類の人の感情を表現するビールのシリーズ。感情の輪とは、喜び、信頼、恐れ、驚き、悲しみ、嫌悪、怒り、期待の8つの基本感情の相関関係を図式化したもので、それらの度合いや組み合わせによってあらゆる感情が説明できるとする考え方だ。これまでに「気持ち伝えるIPA」と「はじまりの愛」が販売された。

今回発売された「晴天は後悔を思う」は、後悔の苦しみを優しく包み込み、心に余韻を残すコクが印象的なビールということ。アワビの肝に似た深い苦味が一口目に感じられ、鼻から抜ける鉱物の香りが日光を浴びた海辺の石の芳香を彷彿とさせるとBugsWellは説明している。

同社は昆虫食の普及を目指しているが、一般的な食事として受け入れられるまでには時間がかかると考えている。「人の感情と昆虫食体験を重ね合わせた」このビールのコンセプトで、食の多様性を提案するということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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