経済・社会

2023.11.17 17:30

多極集中型の日本が強い。 2万通りのAIシミュレーションで分かった、2050年幸せな未来

──人々の人生も分散化が進んでいくということでしょうか。
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広井:どこで暮らして、仕事をして、どんな生き方が自分にとって望ましいと考えるのか。働き方、生き方、住まい方というのは、つまり幸福そのものとも言えるでしょう。働き方、生き方、住まい方の分散型というAIのシミュレーションから出てきた方向性が、これからの時代、コロナの後の幸福のあり方と重なっていると感じます。

人口増加の時代は、集団で1本の道を上る昭和的なイメージでした。経済成長という目標がはっきりしていて、画一的であることがよかった。それが、山頂まで至ると、つまりある程度成熟した社会になると、視界が360度開けてきます。

それぞれが自分の人生をデザインして、自分が望ましいと思う方向に、より自由度の高いかたちで歩んでいく。それが経済活力にとっても、サステナビリティにとっても、ウェルビーイングにとっても望ましい姿になるのではないでしょうか。分散とは多様性です。多様な土壌、環境からこそ、イノベーションも生まれてくるでしょう。

地域や農業を再興する新しい事業

日本農業
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大学在学中に大西千晶が設立。有機農業を営み、六次産業で「たんとスープ」を展開。持続可能な食料システムの提案や、農の関係人口増加にも取り組む。オーガニックビレッジも企画。

千葉エコ・エネルギー

千葉大学発の環境・エネルギー系ベンチャー企業で、代表取締役は馬上丈司。水田などの営農地の上で太陽光発電を行うソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)に取り組む。




ひろい・よしのり◎
1986年、東京大学大学院修士課程修了。厚生省、MIT客員研究員、千葉大学法経学部教授を経て、2016年より現職。専門は公共政策と科学哲学。著書に『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、大佛次郎論壇賞受賞)、『日本の社会保障』(岩波新書、エコノミスト賞受賞)、『科学と資本主義の未来』(東洋経済新報社)など。

文=フォーブス ジャパン編集部 イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビチ、山崎正夫

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