2023.11.05 12:00

BYD第2弾EV「ドルフィン」は航続距離と価格で軍配!

「ドルフィン」の名の通り個性派デザインだがコスパに優れた注目のEV。


センターコンソール中央の高画質なタッチスクリーンのサイズは「iPad Pro」とほぼ同等の12.8インチで使いやすい。もう一つの特徴はそのスクリーンはスイッチ一つで縦型表示に簡単に切り替わる。
advertisement

そのスクリーンは向きも変わる。そして、例えばカメラ映像であれば、横表示と縦表示に最適な3つの画角を組み合わせて表示するという親切さがある。「ハイ、BYD」と言葉をかけると音声ガイダンスが動き出してすぐに応答してくれる。ラジオ放送局を自動的に変えてくれるし、窓の開閉は「半分だけ」などの要求にも応えてくれる優秀なシステムだ。



ドライブシフトはセンターモニターの下に、ほかの操作系とともに設置されている。

ドライブシフトはセンターモニターの下に、ほかの操作系とともに設置されている。


もうひとつ驚いたのが、オーディオの音のよさ。周りがうるさい大渋滞の中でも、高速道路での走行でも、静かな車内で高音質を楽しめる。
advertisement

日本に上陸してくるのは、航続距離が400kmの「ドルフィン・スタンダード」と、より大容量のバッテリーを積んで476km走る「ロングレンジ」という2つの仕様だ。ドルフィンの最高出力が95psであるのに対して、ロングレンジは204psだから、航続距離だけでなくパワーにも倍以上の差がある。

加速は瞬間的で、1680kgの車重にも十分なパワーだ。高速道路で合流する時も問題なく、気持ちよく周りの交通に速度を合わせられる。204psもある前輪駆動車ではあるけれど、コーナーでグンとアクセルを踏み込んでもハンドルがとられることもない。

乗り心地もおおむね快適だし、凸凹の路面を通過するときに、上手にサスペンションを動かして衝撃を吸収し、一発で揺れを収めてくれる。一方、ダンピングが多少足りないので、ボディーの揺れの収まりがライバルの日産リーフにやや劣っている。

ステアリングホイールの重さと手応えは自然で、路面からのフィードバックも正確だし、狙ったラインを綺麗にトレースしてくれる。

さて、薄型テレビ、スマホ、パソコンで、日本は韓国製品に負けているけれど、クルマもそうなるのだろうか?

EVの開拓者、日産リーフと、このドルフィンを比較した時に、ルックスはどっちもどっちなので、顧客は航続距離と価格に注目するだろう。となると、リーフのベースグレード「X」の322km(WLTCモード)と408万円に対して、進化してるドルフィンのロングレンジ仕様は476km(WLTCモード)で407万円になっている。あなたなら、どっちを選ぶ?



(BYD DOLPHIN Long Rangeの主な諸元)
全長:4290mm/全幅:1770mm/全高:1550mm/W.B.:2700mm/車両重量:1680kg/定員5名
定格出力:65kW/最大トルク(ネット):310N・m(31.6kg-m)/0-4433rpm/駆動:FWD
タイヤサイズ:205 / 55 R16 91V


国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事